ブロンOD、金パブOD…
ODをしている人はネットで探せば山ほどいます。
中には「ハイになって最高!欝な気分が吹き飛んで幸せな気分になれるのになぜやらないの?」とかいう人もいます。
はっきり言います。
ODなんてアホのやることです。
「やったこともないくせに何を言う」とか思う人もいるでしょうが、自分は「過去にやりました」。
しかも「市販薬」ではなく、「向精神薬の過剰摂取(当然市販されていない、国指定の危険薬物)」をしました。
何の自慢にもならず、汚点でしかないですが、そこらの人よりずっとハイリスクなODをやらかしています。
結果はどうなったでしょうか。
即時、問答無用で精神病院にぶち込まれました。
そこでの生活は苦痛極まりなかったです。
今回は「薬物ODの恐ろしさ」と「やった結果はどうなるか」を紹介します。
かなりディープな話をするので、苦手な方は読まない方がいいかと思います。
しかし、「ODのリスク」と「実際にやったらどうなったか」を知ってもらいたいです。
ODとは?
まずは言葉の説明です。
ODというのは英語で「Overdose」、日本語では「過剰摂取」を意味します。
一般的にODと言えば「薬物OD」、つまり「薬の過剰摂取」を指すことが多いです。
一種の薬物乱用でもあります。
なぜODが問題なのか?
なぜ日常でODが蔓延るかというと、後述しますが「市販薬で快楽が得られる」のが理由です。
市販薬のある化学物質が元となっているのです。
なぜ薬を過剰摂取するのか?
これには色々人それぞれの事情があります。
まずは自分の経験談から…
まず上記の通り、自分は薬を過剰摂取したことがあります。
その薬は「フルニトラゼパム」という薬です。
これは向精神薬の一種で、国指定で「第二種向精神薬」に分類される劇薬です。
主な効果は「対不眠症」ですね。
簡単に言えば「寝つきをよくする、眠りを深くする薬」です。
(医学部、薬学部の人なら「ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤」と言えばピンと来るでしょう)
自分の場合は1回1錠のところを「8錠」を飲みました。
しかも会社内(飲んだのは朝8時ごろ)で、です。
結果は言うまでもなく、30分もしないうちに意識は朦朧として、後から聞いた隣にいた上司からは「声をかけても呂律が回らない」、「石から転げ落ちた」とのことでした。
自分は椅子から転げ落ちた記憶すらありません。
その後は車椅子に乗せられて救急車で病院に搬送、目が覚めたときは16時前だったと記憶しています。
なぜこんな馬鹿な真似をしたのか、ですね。
一言でいうなら「仕事に疲れて、楽になりたかった。あわよくば死にたかったから」です。
ちなみに、自殺未遂は2度目です(一度目は腹に包丁を刺す自傷行為)。
結果は、即精神病院に入れられました。
精神病院なんて人生に入れられる人なんてまずいないでしょう。
精神病院の中の様子は?
まず、入院患者は全員「精神異常者」です。
精神病院なので当たり前ですよね。
どんな人がいたかというと
・言葉を話せない人(失語症)
・深夜2時くらいに廊下で大声を出しながら歩き回る人(2時間くらい徘徊。医師も止める気がないのか、放置していてガチで精神がおかしくなるかと思いました)
など様々です。
パッと見は普通の人が多いのですがね。
そして精神病院は全員個室です。
外から中が分かるように小窓が付いていますし、勝手に首をくくったりしないよう、トイレは扉無し、私物の持ち込みは一切禁止でした。
外出するにも受付に言わないといけませんし、1回1時間までの制限がつけられています。
何がつらいかというと、「ありとあらゆる制約が付きまとい、寝る以外何もすることがない」ということです。
刑務所の禁固刑レベルかと思うくらいです。
せいぜい共同場所でテレビが1つあるのでそれを見るくらいですが、チャンネルを自由に変えられないのでテレビを見ることすらかないませんでした。
結果、4日目にして医師に「退院させてほしい」と懇願しましたね。
もう少し様子見とか渋られましたが、こちらの意見を押し通しました。
結論として、精神病院は地獄です。
病院なのでお金はかかりますし、マジで頭のねじが吹っ飛んだ人もいますし、この世の地獄の縮図を見た気がします。
正常な人なら半日すら持たないでしょうね。
絶対に2度と入りたくないです。
ODをする人の目的①:快楽目的
次に、ODをする人の目的ですね。
まずは「快楽目的」、これが多いと思います。
「なぜ薬で快楽を得られるの?」と思うでしょう。
それは薬の成分に答えがあります。
一般的な風邪薬(総合感冒薬)には様々な成分が入っています。
解熱鎮痛のため、鼻水を止めるため、咳を止めるため…
目的に応じて、成分と配合量が調整されています。
ここで大きなポイントがあります。
種類は様々ありますが「エフェドリン」という化学物質が感冒薬に入っています。
物質によって「鼻づまりの抑制」や「咳止め」の効果が得られます。
ここで最も重要なのが「エフェドリンは中枢神経興奮作用、簡単に言えば覚せい剤に似た効果がある」ということです。
(少し踏み込んだ話をすると、似た構造を持つアンフェタミンよりかは効果は薄め。エフェドリンは、現在ナルコレプシーなど一部の病気に対してのみを除いて使用が禁止されている「メタンフェタミン(通称:ヒロポン)」の材料の1つでもあります)
「おいおい、そんな危険な物質が風邪薬に入っているのか」と思うでしょうが、当然ながら薬は厚生労働省の認可を受けて販売されています。
そもそも風邪薬に入っているのは微量で、治験などからも人体への健康保証はされています。
ただし、それは「用法、用量を守ったうえでの話」です。
多量に摂取するとどうなるでしょうか。
言わずもがな、「中枢神経興奮剤が多量に人体に入ると気分がハイになる」=「麻薬と同レベルの効果が得られる」ということになります。
ODをする人の目的②:疲労回復目的
次は疲労回復目的でODする人も多いです。
エナジードリンク(エナドリ)や、飲酒などで紛らわせる人もいるでしょうが「そんなものじゃ物足りない、効かない」ということで手を出す人がいます。
上記の通り、中枢神経興奮作用を利用して「一時的に気分をハイ」にすることで疲労を紛らわせる人がいるのは事実です。
ダメ、絶対!薬物乱用!
始めに断っておきますが、以下のことは絶対にやらないでください。
「なぜ、やってはいけないのに書くのか」と思うでしょうが、「ODを実際にやったやつからの戒め、そして取り返しのつかない末路の恐ろしさ」を感じてもらうためにあえて書きます。
薬物ODの例①:ブロンOD
ニュースをよく見る人なら見たことがあるかもしれません。
公衆トイレに「ブロン」と書かれた瓶が大量に放置されたニュースがあります。
これはOD界隈では有名なODに用いられる市販薬です。
「ブロンOD」とネットで検索すれば実際にやっている人が山ほど出てきます。
ODをやる人からすれば、「ODの帝王」なんて言われていたりします。
「ODと言ったらこれ」、「ブロンでキめるの最高」とか聞きますね(何度でも言いますが、ODは外道です)。
ブロンというのはエスエス製薬から販売されている「咳止め薬(鎮咳薬)」です。
この薬には「dl-メチルエフェドリン塩酸塩」が入っています。
もう分かりますね?
上記にも書いた通り「エフェドリン」が入っています。
なぜこのブロンがODで用いられるかというと
・市販薬で簡単に手に入る
・比較的安価
・1瓶84錠と大量
という理由からです。
あまりに界隈ではODで有名になり乱用が蔓延しすぎたためか、公式HPでは「1人1瓶まで」の制限が出されています。
加えて、昔に比べて薬価が高くなっています(ここ最近の物価高よりずっと前に2倍ほどなったりしました)。
ちなみに、自分は当然やったことはありませんが、多い人は1回で1瓶はザラ、2瓶以上(160錠以上)を飲む人もいると聞いたことがあります。
薬物ODの例②:金パブOD
金パブというのは「金のパブロン」、つまり大正製薬から販売されている「パブロンゴールド」のことです。
こちらもブロンと同じく、鎮咳効果として「dl-メチルエフェドリン塩酸塩」が入っています。
界隈によると、ブロンより薬価が安いため好まれると聞きました。
それでもお金がかかることに変わりはないのに、そうまでしてやりたいのかよと思いましたね。
ネットで調べると、不要な成分を濾過分離させる手法(粉砕、濾過、抽出)も見つかりました。
やはり「そこまでしてODしたいのかよ」と呆れましたね。
薬物ODの例③:クニヒロOD
皇漢堂製薬の鼻炎薬「クニヒロ」にも「dl-メチルエフェドリン塩酸塩」が入っています。
その他OD目的で用いられる有名な薬
ドリエル(睡眠導入剤)→相当不味いらしいです。ODする時点で知ったことではありませんが
レスタミン(アレルギー性疾患治療剤)→通称、「レタスOD」と呼ばれます。
ウット(催眠鎮静剤)→聞くところによると、鎮静成分が2つ入っているので、多幸感が強く現れるそうです。こんなもの(薬)で味わうなんて…
メジコン(鎮咳薬)
上記2つは副作用として、口内の渇き、不眠、食欲不振などが現れます。
鎮静成分を多く含む薬を飲むと、効果が切れたときの反動もすさまじいです。
絶対にODはやめましょう。
手間がかからない分高いブロンOD
手間はかかるけど安い金パブOD
他にも安さや飲みやすさetc.
どれがいいとか以前に「ODやる時点で論外」です。
メンヘラだからとかパリピだからとか以前に愚かな行動です。
繰り返しになりますが、「薬は用法、用量を守る」のが鉄則です。
ODなんてアホがする行為です。
1回だけ試しにとか好奇心でやるのは麻薬や覚せい剤に手を出すのと同じです。
絶対に真似などしないでください。
何1ついいことはありません。
それは以下に書きます。
ODの弊害
当然ですが、薬の過剰摂取でいいことなど何1つありません。
一時的に多幸感を得られたとしても、所詮は市販薬。
本物の麻薬や覚せい剤と違い、効き目は短時間、効果も薄いです。
それ以上に弊害が大きすぎます。
弊害①:他の成分の過剰摂取
確かに、市販薬にエフェドリンが入っていますが、それ以外にも解熱鎮痛効果のあるアセトアミノフェンなどの成分も含まれています。
それを過剰摂取して良い効果が得られるわけがありません。
吐き気や、悪寒などの症状が現れることがあります。
そして過剰摂取は「肝機能障害」を引き起こします。
当然ですよね。
アルコールと同じく、一気に何十錠も飲めば代謝が追いつきません。
そして、アルコールよりもたちが悪いです(薬は化学物質の塊ですし)。
弊害②:依存症
これも当然です。
なにせ、効果は薄いとは言っても「覚せい剤」の成分が含まれているのですから。
最初は20錠で満足感を得られていたとしても、徐々に身体が耐性を持って、効き目が薄くなります。
結果、容量が増えて依存症が発生します。
一時的に手を出して、やめられずにいる人はネットで調べても山ほど出てきます。
自分もやった身ではありますが、哀れと思いますね。
ODを経験した人から言えば、「ODはアホがやる行為。何1ついいことはない」
今更で言葉は悪いですが、「ODはアホがやる行為」です。
自分もやったことがあるのでアホです、本当にアホなことをしました。
ODすれば疲れは吹っ飛び、悩みも忘れられる
ODの罪悪感もやってしまえば忘れられる
こんな言葉は「アホの極み」ですね。
後先考えずリスクを遠ざけているだけです。
ODは「人生の前借り」です。
しかも一時的に対して数倍の前借です。
1日に対して10年とかそんなレベルです。
闇金業者も真っ青のレベルです。
ODをやっても得られるものは少なく、失うものが多いです。
失うものは
・元の生活(最悪一生苦しむことになる。現に自分は未だに職場の飲み会とかで「あまり刺激すると薬やっちゃうよ」とからかわれています)
・知人や友人(元の関係には戻せない)
・お金(薬の購入代やODの治療費)
などです。
仕事や勉強、日常生活でつらいことはたくさんあります。
この記事を書いている間でも、次の日の仕事が頭から離れず、「また明日も仕事に追われる苦しい日が来るのか」と思いますね。
他の人は「仕事が終わって家にいる時くらい仕事のことを忘れればいいのに」とか簡単に言われますが、「それができるなら苦労はしない」と心の中で思っています。
しかし、それでも安易に快楽を求め、道を踏み外すのはやめましょう。
「お前に自分の何が分かる」と言われれば「自分はあなたではないので理解はできない」のは事実です。
それでも、ODなどはやるべきではありません。
これはやった身だからこそ言えます。
お金を払ってまで身体を壊したいか?
今後の人生全てを捨てるほどのものか?
ODは一時的に逃げられても、その対価として今後を失います。
繰り返し何度でも言いますが「ODはアホがやる行為」です。
麻薬や覚せい剤と同じです。
一度手を出せば向かう先は破滅です。
田代まさしやピエール瀧のように、更に快楽を求めて覚せい剤などに手を出して有罪判決を受けて刑務所に入りたいですか?
一生薬物に振り回されたいですか?
あなたの人生は刑務所に入るためにあるわけではないでしょう?
一時的に安易な道を選んで破滅に向かうような馬鹿な真似は絶対に辞めてください。
安易な道の対価は絶望ですよ。