どのCADを使っていても言えることですが、CADソフトで物体を作るときのコツを書きます。
会社でも他の人にソフトの使い方を聞かれることがありますが、非常に大切なことです。
これからCADソフトで物を作るときは参考にしてください。
①必ず「どのように作っていくか」の構想を考えてから作る
最も重要なことです。
料理と同じで「何をどんな順番で作るか」を考えてから作りましょう。
料理で言うと、「冷たい(冷ます)ものから作って、熱いものは後に作る」と同じです。
レシピが分からないうちから作ってしまうとうまく作れなかったり、あとからの修正が大変なことになります。
「どこから作って、どう組み立てていくかの道筋」を思い描いてから作りましょう。
より近いものに例えるとCADは「積み木」と同じです。
土台が不安定だと、上に乗っかるものが崩れやすく、そもそも乗せられないなんてことが起こります。
基礎をしっかりと作り、細かいものをあとから乗せていくとうまく作りやすいです。
この「作り方を思い描く」のは経験が重要です。
完成図を見て、どこからどの順序で作っていくかは経験が浅いうちはなかなか思い描きにくいものです。
簡単なものを練習に選んで、色々作っていくうちに慣れていくものなので、練習=場数を踏むことが大切です。
②修正に強い作り方をする
これは慣れても難しいことです。
修正に強いというのは、あとから形状が変わっても、上の階層=積み木の上にあたる部分に影響が出にくい作り方をするということです。
積み木で下の部分を差し替えようとすると、上の部分がぐらついて不安定になったり崩れたりしますよね?
これを不安定になりにくかったり、影響が起きにくいようにするには、1つ1つを細かくするという方法もあります。
一方で、細かくしすぎると1つの形状を探すのに時間がかかったり、データサイズが重くなったりします。
逆に少ない階層で全部作りこもうとすると、1か所の変更が全体に影響を及ぼしやすくなります。
何事もバランスが大事だということですね。
そして最も不安定になりやすい要素が、「形状参照」です。
ちょっと専門的ですが、下の階層にある形状の線を基準に形状を作ろうとすることです。
当然ですが、下の形状がなくなったときに上の階層に影響が出ます。
支えを失えば崩れるというわけですね。
形状参照は形状を作るうえで手間を省ける方法ですが、多用しすぎると修正が多いときや、大幅な変更があったときは影響が大きいです。
楽をして作るのはよいことですが、よくよくあとのことを考えて作りたいですね。
③細かい部分は後から、まずは全体の大きな作りこみから
物を作っていると、淵に面取りやR(よくわからないと思う方は縁取りと思ってください)がありますよね。
こういう細かい部分は全体を作りこんでから、あとからまとめて作りこんでください。
作るものの時々にもよりますが、途中で挟み込んでしまうと修正に弱くなります。
線が消えれば縁取りも消えます。
消える線が多ければ多いほど、縁取りが多ければその分影響が大きいです。
後からまとめてできるなら、積み木の上に置いておけば影響が少ないということです。
長くCADをやっていれば、1つの修正で全体が崩れてしまい最初から作ったほうが楽だという局面にも直面したりします。
10個、100個、あるいは1000個と作っていけば見るだけで道筋が見えたり、楽をする方法も見えてきたりします。
最初から職人技のような作り方をするのは不可能ですし、1つのやり方が正解なんてこともありません。
同じ家を作るにしても職人が100人いれば100通りの作り方がありますし、ちゃんと完成すればどれが正解なんてこともありません。
自分に合った作り方を見つけて、慣れてきたら効率的、さらには別の人が修正しやすい作り方を考えられるようになれればベストですね。
CAD初心者で躓いているなら、まずは別の人の作り方を覗いてみるといいと思います。