2番煎じなのは承知ですが、漫画について考察してみます。
漫画「グラップラー刃牙」の最凶死刑囚編で毒手を食らい、大擂台賽編で復活を遂げる時に「14キロの砂糖水」の描写があります。
書くまでもないですが、現実ではありえません。
しかし、やはり理系ならば考えたくなるもの。
これが「理系の性」というものなのでしょうか?
14キロの砂糖水のカロリーはどれくらい?
漫画では「烈海王」がバケツに10リットルの水を入れて、その中に「果糖4kg」を混ぜています。
「水は0kcal」(食品衛生法表示)なので、水はどれだけの量でも0kcalです。
ということはこの場合は「14キロの砂糖水のカロリー」=「果糖4kgのカロリー」ということになります。
果糖は「フルクトース」という物質(甘味料)で構成され、「100gあたり368.1kcal」とされています。
このことから4kgの果糖は不純物が含まれていない純粋なフルクトースとするなら、「14724kcal」となります。
4キロの果糖を摂取するとどうなる?
上記の通り、4kgの果糖は「14724kcal」です。
一般成人男性の1日の平均摂取カロリーの目安は「2200kcal」とされています。
<農林水産省HPより>
もちろん自衛隊のような活発に活動する人ならもっとカロリーは必要ですが、ここは一般成人男性として仮定します。
14724kcalは実に「約6.7日分」に相当します。
言うなれば約1週間分の食事量に相当します。
こんなカロリーを一食で摂取すれば明らかにカロリーオーバーです。
余談ですが、極寒の地・南極大陸で活動する人でも多くても「1日5000kcalくらい」しか摂取しないようです。
それでも3日分に相当するのですからよほどのカロリーであることが分かります。
14キロの砂糖水は飲める?
ではカロリーを度外視して、「14キロの砂糖水」は飲めるのでしょうか?
結論から言えば「絶対不可能」です。
作中では「飲みやすいように」と果糖を加えていますが、そもそも量が多すぎます。
仮に飲もうとしても途中で腹を下して嘔吐します。
病気で水中毒の人ですら14リットルも一気に飲めません。
仮に毒に侵され、酷使に酷使を重ねた身体でも現実的には無理です。
自分でも4日間断食(喉が渇いたときにただの水だけで生活)して試してみましたが、逆に胃が弱ってしまっていてうどん一杯を食べるのが関の山でした。
(なお、内科に行ったら医者に「死にたいのですか?」と言われ、有無を言わさず治療室に放り込まれて点滴を打たされました。内科に行ったのは3日目にして頭痛が止まらなくなり、夜も眠れなくなったからです)
弱った身体であるからこそ、逆に急激なカロリー摂取は無理なのです。
まとめ
そんなわけでやはり漫画は漫画の世界、現実的ではないわけです。
そんなことを言ったら、愚地克己の音速パンチももし音速以上で出せたならソニックブームが起こって衝撃波で闘技場が破壊されます。
観客も巻き込まれて、この上なく迷惑な技です。
ザ・漫画ワールドと思って純粋に読むと良いでしょう。
それでももし試したいという方へ
まずは毒手を食らってください。
そして骨と皮になるまで瘦せ細ってください。
そこから毒手を食らって毒を裏返してください。
毒が裏返ったら、大量の食事(常人の3日分くらい?)を一気に完食してから、14キロの砂糖水をデザート代わりにして試してみましょう。
ただ単に絶食や疲労だけではいけません。
「毒に侵され極限にまで酷使した身体」でないといけません。
もし成功したなら、あなたは「リアルに地上最強の生物の域」に達するかもしれません。
格闘技世界チャンピオンになり、現チャンピオンを2秒で倒せるかもしれませんよ?
男なら誰でも一度は夢見る“地上最強”
貴方が「範馬の血」を引いているのなら可能かもしれません。
冗談は置いておいて、絶対に真似しないでください。
仮に試したところで上記の通り、絶対に不可能ですし、健康を損ねるだけです。