今回は自分が手術に踏み切った病気の1つ、「脂腺母斑」について書きます。
この病気は命に別状はない病気ではありますが、審美的によろしくない病気です。
確率的には珍しくもない病気なので、同じ病気になった人もいるかと思います。
脂腺母斑とは?
「脂腺(しせん)」とは全身にある「脂」を出す「腺」です。
脂を出すのは表皮の渇きを防ぐためです。
(=保湿のため)
「母斑(ぼはん)」は「痣(あざ)」のことです。
つまり、「脂腺母斑(しせんぼはん)」は「脂腺が何かしらの原因である箇所に集中し、痣を形成する病気」のことです。
脂腺母斑の原因は?どれくらいの確率で発症する?
この脂腺母斑ですが、「原因は未だに不明」です。
何かしらの原因で腫瘍が発生するとしか言われていません。
この病気は主に「先天性」のもので、「生まれつき発症する」ことがほとんどだとされています。
発症の箇所は主に「頭皮や顔面」、確率は低めですが顔面より下に発症することもあるようです。
発症の確率は「0.1~0.3%」と「1000人に1~3人」と決して少なくない確率です。
(日本人の人口を1億人にするなら10万人~30万人はいる計算になります)
脂腺母斑の症状について
この病気になったからと言って、別に死ぬということはありません。
何なら放置していても特段問題はないと言えます。
ただ、上記の通り「痣、腫瘍」の一種なので、「見た目」の面では良くありません。
自然治癒はせず、むしろ体の成長とともに腫瘍は徐々に広がり大きくなります。
さらに、脂腺母斑の発症箇所は「永遠に毛が生えません」。
自分の場合は、11歳ごろに頭に腫瘍があることに気づきました。
汗をかくと、妙に痒くなり、腫瘍部分を搔いていると血が出たことも何度もあります。
(一応、腫瘍と頭皮は血管で繋がっていますので当然傷が付けば血が出るのは道理ですね)
放っておくと、低確率ではありますが「癌(悪性腫瘍)」になる場合もあるようです。
そういう意味ではよろしくない病気と言えるかもしれません。
治療方法について
自然治癒しない以上は、何かしらの方法で治療しない限りずっと治りません。
治療方法は「外科手術による切除」がほとんどです。
全身麻酔または局所麻酔を行い、脂腺母斑発症箇所を切除するわけです。
自分の場合は24歳に自ら外科に赴き、局所麻酔で切除しました。
自分の体質なのか、麻酔が効きづらく(抜歯の時もそうでしたが)、麻酔が効かないうちにメスを入れられて、死ぬほど痛い思いをしました(刃物で刺されるのと同じわけですから)。
切除後は「切除部位を見ますか?」と言われたので好奇心で「見せてください」と言いましたね。
かなり深く抉られた皮膚を見せられました(当然気分がいいものではありませんが、なかなか興味深かったです)
後から外科医に聞いたのですが、「こういう広がる病気は早めに切除したほうがいい」と言われましたね。
親も幼少時から認知していたのですが、「やっぱり幼少時に切除に踏み切るべきだった」と語っていました。
できれば10歳未満の成長が著しいときより早い方が良いとのことでした。
さらに、悪性腫瘍になることも考えると、遅くても30歳までに手術に踏み切った方が良いです。
<切除後の部位画像>
(スマホのカメラで頭皮を自分で撮影。うまく撮れないのですよね…)
担当外科医は「綺麗に治った」と言っていますが、こう見るともっときれいに縫合できたのでは?と思いますね。
まあ途中で縫合箇所が緩んでだらだら血が出た(それも休日深夜に)ので、それが原因かもしれませんが(当時はかなり焦りました)。
まとめ
幼少時にがけ手術をした方が審美的にも良い病気ですが、幼少時に自ら判断して治療に踏み切ることはできません。
必ず親の判断が必要になります。
この病気は「早く外科切除した方が良い病気」なので、可能なら気が付いた時点で外科医の判断を得て手術に踏み切っていただきたいです。
自分のように自ら判断し、20を超えて手術するのは遅いです。
そのためにかなり腫瘍が大きくなってから手術したため、縫合箇所も多くなってしまいました。
後悔をしたくないなら、「善は急げ」です。