ゲームとCADで趣味全開!

ゲームの世界をCADで現実にする。3Dモデルを作るのが得意です。他にゲームとしてブルアカやディスガイアシリーズの攻略などを書いています。

【遊戯王】究極のコンボ「ゴッド・ファイブ」はロマンの塊【神の領域ならぬスライムの領域】

突然ですが、自分は高校1年(実際はほぼ中学3年)の時まで「遊戯王」をやっていました。

当時は「混沌開闢」が猛威を振るっていた(実際自分が手を出したときは既に制限を受けていましたが)時期でもあります。

 

本当に手を出していたのはコナミではなく「バンダイ時代(1999年3月1日~2000年11月23日)」の時からです。

邪悪なる鎖」とか聞いて「懐かしい」と思った人は多分同世代です。

逆に知らない人(現在のコナミ時代からプレイした人)は調べてみてください。

「え、何この滅茶苦茶な設定?」と思うでしょうね。

 

ポケモンカードと同時期に流行しており、OCGはまさに今ほど娯楽が充実していなかった時代ではTVゲームに並んで数少ない趣味でした。

 

 

そんな中、遊戯王OCGの原点となった原作漫画で、当時「これはすさまじいコンボ」と驚嘆したのが「ゴッド・ファイブ」です。

 

 

 

 

究極のコンボ「ゴッド・ファイブ」!

原作で初めて3枚の神のカードの1つである「オシリスの天空竜」が登場した時を同じくして、人形(マリク)がそのコンボを知らしめたのが「ゴッド・ファイブ」です。

 



そのコンボは原作のカード準拠では極悪極まりないものでした。

マリクの台詞通り「完全無欠にして無敵。攻略不可能」と言わざるを得ないレベルでした。

なにせ主人公にして、作中最強デュエリストである「闇遊戯」の膝をつかせ、「オシリスを倒す手段は、ない…」と言わしめたほどです。

まあ主人公なのでデスティニードローでキーカード(ブレインコントロール)を引き当て、「無限ループ」で勝つのですが、今回はそこが論点ではありません。

 

 

1枚ずつ原作のカードの効果を見ていきましょう。

 

 

オシリスの天空竜

神のカードの1枚。

 

主な効果は以下(他にも特殊召喚時はそのターンのみしかフィールドに存在できないなどあり)

・召喚には3体の生贄が必要

・手札の枚数×1000ポイントだけ攻撃力と守備力アップ

・相手フィールドにモンスターが召喚(通常/特殊問わず)されたとき、攻撃力または守備力に2000ポイントのダメージを与える(攻撃表示なら攻撃に、守備表示なら守備に。2000ポイント以下なら即破壊される)

 

 

攻撃力2000以下ならまだ倒せるでしょうが、3000以上ならコンボを駆使しないとまず正面から倒せない上に、召喚時に問答無用で2000ダメージを与えてきて召喚すらままならない神のカード。

 

 

リバイバルスライム

原作でも屈指のチートカード

というかこのカードがあるおかげでコンボが成り立つので個人的には「スライムの領域」と呼んでいます。

原作のカード効果(テキスト)は以下。

 

リバイバルスライムは再生能力を持つ

 

シンプルにして凶悪です。

なにせこのテキストでは

 

①ノーコスト

②即時フィールドに再生召喚

③魔法や罠カードの攻撃でも再生(原作ではオシリスの天空竜の攻撃に対して、「魔法の筒」で攻撃を跳ね返しましたが、ディフェンドスライムの効果が適用→即時再生でした)

 

というわけです。

つまり、正攻法の攻撃では破壊できないわけです。

 

カードの効果で破壊(この人形vs闇遊戯のデュエル)しても再生していましたが、魔法や罠カードで破壊した時はどうなるかは不明です(原作ではそのシーンは書かれていません。上記の「魔法の筒」では再生しましたが、他のシーンはないです)。

 

後の孔雀舞vs闇マリク戦では仮面魔獣デス・ガーディウス召喚のための生贄になっていましたが、この時は再生できなかったようです。

まあ、これで再生したらもっとヤバいモンスターでしたが。

 

 

ディフェンド・スライム

リバイバルスライム用の永続罠カード。

 

効果は以下の通り。

 

相手モンスターが自分のモンスターに攻撃した時、自分のフィールド上に「リバイバルスライム」が表側表示で存在している場合、攻撃対象を「リバイバルスライム」に移し替える事ができる。

 

※なお、「魔法の筒」の効果すらも適用されたのでよく分からない状況です。

 「魔法の筒」は「攻撃対象を移し替える」ということで発動したと考えれば納得がいきます。

 一応、OCGのカード効果は以下の通りです。

 

 相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃モンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃モンスターの攻撃を無効にし、その攻撃力分のダメージを相手に与える。

 

 どう考えても「攻撃モンスターを対象として、カード効果により「相手プレイヤーに」ダメージを与える」と読めるので、原作では違ったと考えるのが妥当です。

 

 

※どうやら原作の効果は以下とのことです。

 やはり、攻撃を無効化したうえで「対象を移し替える」ようです。

 

 

「移し替えることが『できる』」と書かれていることから、移し替えるかどうかはカードのコントローラーの意思次第。

原作では、闇遊戯のオシリスの天空竜に対するバスターブレイダーの攻撃を、「神に触れることは許さない」という意味不明な理由(プライド?)からディフェンド・スライムの効果で攻撃を「リバイバルスライム」に移し替えてしまったことで「無限ループ」のコンボにはまって敗北してしまいました。

余計なプライドがなければ勝てたのに…

(自分でも「そのまま(オシリスに)攻撃していれば返り討ちにあっていたものを」と言ってるのに、無駄なプライドのせいで敗北するとは)

闇マリクの言うとおり、「詰めが甘い」です。

 

 

生還の宝札

永続魔法カード。

宝札系カードで、原作準拠ならトップクラスのドロー強化系チートカード

 

原作効果は以下の通り。

 

敵味方を問わず場上のモンスターが再生に成功した場合、生還の宝札の持ち主は山札からカードを3枚引くことができる。

 

 

・再生条件は敵味方問わず

・デッキから3枚もドロー

 

という環境破壊のぶっ壊れチートカード

 

※なお、未OCGではありますが、「絶望の宝札」というデッキからカードを3枚選択して自分の手札に加え、残りのカード全てを自分の墓地に送るという、まさに「相手が絶望するレベル」で墓地肥やし&3枚サーチドローできるカードもあります。

初手発動できれば1ターンキルが続出するだろうこのカードはまず実装されないでしょう。

 

 

「引くことが『できる』」と書かれていることから、「任意効果」と思われがちですが、その後のプレイ展開から原作では「強制効果」だったようです。

(実際マリクも「カードを3枚引かされる」と発言していることから強制効果であることが伺えます)

 

 

無限の手札

永続魔法カード。

 

このカードがフィールド上に存在する限り、お互いのプレイヤーは手札枚数制限が無くなる。

 

 

このカードの効果によって、手札の制限枚数をなくし、オシリスの攻撃力/守備力の上限をなくしています。

 

 

 

以上のように、「神の領域」といいますが、「リバイバルスライム」が凶悪すぎます。

そうでなくても、生還の宝札の3枚ドローもすさまじいです。

 

 

 

それぞれOCG化されたが…

原作登場後、順次OCG化されましたが、だいたい弱体化されました。

まあ当然ですね。

 

 




リバイバルスライム

攻撃力や守備力は据え置き。

しかし、問題の再生効果が…

 

 

このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時、1000LPを払って発動できる。
次の自分スタンバイフェイズにこのカードを墓地から守備表示で特殊召喚する。

 

 

なんと、「ライフポイントを1000も払う」うえに、再生タイミングが「次の自分のスタンバイフェイズ」という遅さ。

もちろん「戦闘での破壊限定」です。

もはや原作の面影が全くありません。

表裏のマリクさんも、この効果には顔をしかめたことでしょう。

 

 

生還の宝札

OCGにおいてドロー強化は先述の基本中の基本です。

キーカードをいかに早く引いて、速攻を仕掛けるかがOCGで勝つための基本戦術です。

 

そのぶっ壊れドロー強化カードである「生還の宝札」は…

 

 

自分の墓地に存在するモンスターが特殊召喚に成功した時、自分のデッキからカードを1枚ドローする事ができる。

 

 

①蘇生条件が自分限定

②ドロー枚数が1枚

 

という大幅弱体化。

しかし、これでもなお時代が進むにつれ墓地からの大量特殊召喚は基本戦術となったため、このカードは依然強力でした。

2009年に「禁止カード」に指定され、今なお禁止解除はされていません。

今後も禁止解除になることはまずないでしょう。

 

 

ディフェンドスライム・無限の手札

これらは基本そのままです。

ディフェンドスライムはリバイバルスライムがいることが前提、無限の手札はただ手札制限をなくすだけですからね。

 

 

オシリスの天空竜

原作よりも明確に効果がきっちり書かれています。

 

 

このカードを通常召喚する場合、3体をリリースして召喚しなければならない。
(1):このカードの召喚は無効化されない
(2):このカードの召喚成功時にお互いはカードの効果を発動できない
(3):このカードの攻撃力・守備力は、自分の手札の数×1000アップする。
(4):相手フィールドにモンスターが攻撃表示で召喚・特殊召喚される度に発動する
そのモンスターの攻撃力は2000ダウンする。
0になった場合そのモンスターを破壊する。
(5):このカードが特殊召喚されている場合、エンドフェイズに発動する。
このカードを墓地へ送る。

 

 

特に、守備表示でも2000ダメージを与えられたものが「攻撃表示」限定になっています。

さすがに守備モンスターを破壊するのは無理があったようです。

(というより裏側守備表示にしておけば対策できてしまう)

 

 

 

実際は原作準拠でも穴がある

このコンボは「完全無欠にして無敵」といっていますが、穴が多いです。

 

 

リバイバルスライムを前提としたコンボ

全ての起点は「リバイバルスライム」です。

リバイバルスライムが攻撃の盾となり、再生時にカードをドローして手札を増やし、オシリスの天空竜の攻撃力/守備力を上げるというものです。

 

故に、「リバイバルスライム」さえ場から除去して、相手の手札を減らしてしまえばおそるるに足りません。

 

 

魔法・罠カード除去カードに弱い

ディフェンドスライム、生還の宝札、無限の手札。

この3枚のカードを維持し続けるのは困難です。

 

それこそ原作の孔雀舞がよく使う「ハーピィの羽根箒」を使われれば即時崩壊です。

他にも「大嵐」など除去カードは複数あったので、3枚の魔法、罠カードを常時維持するのは困難です。

 

 

オシリスの天空竜を召喚すること自体が重い

そもそもフィールドに3体モンスターを並べて「オシリスの天空竜」を召喚すること自体が重いです。

その点は「リバイバルスライム」と「ディフェンドスライム」のコンボで補えばと思いますが、両方のカードを同時に場に出さないといけません。

 

どちらか一方でも欠ければその時点で場に3体の生贄を揃えることは困難です。

(一応、原作版リバイバルスライムは即時再生効果があるので、カード効果で除去されない限り、場からモンスターは尽きないのでそのうちにディフェンドスライムを引けばコンボの1つが完成しますが)

 

 

 

貫通効果に脆い

当然ですが、リバイバルスライムは守備表示で壁モンスターとして効果を発揮します。

しかし、その守備力はたったの500です。

貫通効果を持つカードを使えばライフがどんどん削られます。

 

原作では初期ライフポイントは4000です。

オシリスの天空竜を召喚する前にリバイバルスライムを召喚して盾としても、オシリスの天空竜を召喚される前に、高攻撃力のモンスター+貫通効果付与カードで攻め立てればディフェンドスライムの効果も意味なしです。

 

それこそバスターブレイダー+貫通効果付与カードで攻撃すれば、1回の攻撃で「2600-500=2100ダメージ」で、2回攻撃で終了です。

 

この点から見ても、確かにリバイバルスライムがノーコスト即時再生で強力ですが、全てのダメージを無効とはいかないのです。

 

 

 

他にも考えれば色々ありそうですが、原作時点のカードだけで見ても「完全無欠にして無敵」とはいえないです。

 

カードを手札に揃えるギャンブル、維持するという重さから見ても穴が多いのです。

やはり、その後に出てきた原作版「ラーの翼神竜」の前には到底及びません。

(待望のOCGではこれでもかというほど弱体化され、その後に様々なアシストカードが出てきましたが)

 

 

 

まとめ

原作準拠では凄まじいコンボで、まず5枚揃えればかなり強力でしたが、現実では無理がありすぎます。

なにより、キーとなる「リバイバルスライム」の再生効果の大幅弱体化が大きすぎます。

たとえノーコストであっても

①再生タイミングの遅さ

②カード効果で除去してしまえばその時点で終わり(当時の環境でも除去カードは多かった)

という点で無理があります。

 

原作の効果だからこそ夢があり、ロマンのコンボだったと言えるでしょう。