ゲームとCADで趣味全開!

ゲームの世界をCADで現実にする。3Dモデルを作るのが得意です。他にゲームとしてプリコネやディスガイアシリーズの攻略などを書いています。

【小ネタ】5000兆円について

ちょっと古いネタかもしれませんが、「5000兆円欲しい!」というネタをご存じでしょうか?

一時期はその途方もない数字などからネタとしてネット界隈に流行りました。

その5000兆円について、ネタではあるものの少し真面目に考察したいと思います。

 

 

 

 

5000兆円の規模について

まず2023年度の日本の国家予算は過去最高値の「114兆3812億円」と発表されています。

この予算で日本が毎年動くとすれば、5000兆円あれば「43.7年分」の予算になります。

半世紀は持ちませんが、それでも十分日本が動くレベルです。

 

そして世界に目を向けると、2021年のデータですが2021年の世界のGDP国内総生産)の合計は「93兆9359億ドル」です。

今でこそ円安で1ドル=140円ですが、1ドル100円と仮定すると約「9400兆円」です。

5000兆円あれば世界の半分が牛耳れますね。

アメリカや中国といった主要経済大国であれば国家単位で動かせます。

まさに5000兆円あれば世界を動かせると言っても過言ではありません。

 

 

 

5000兆円あれば一生豪勢な生活ができる?

ではここで、現実に目を向けてみましょう。

5000兆円の資産があればやりたいことがなんでも思いのままにできるかというと、「絶対不可能」です。

まず市場に大量の通貨が出回ると、100%インフレが起きます。

つまり、貨幣の価値の下落=物価の上昇ですね。

分かりやすく言えば、物はたくさん出回ると1個当たりの単価は下がりますよね。

逆に出回りにくくなるとプレミアがついて単価が上がります。

貨幣も同じです。

一気に大量貨幣が市場に出回ると、貨幣の価値は下落し、物の値段が上がります。

まして5000兆円の1%でも出まわったら恐ろしいハイパーインフレが起こります。

ラーメン1杯100万円とかザラになるでしょうね。

そうなると国中の経済は破綻して、企業の大量倒産、国家消滅の危機です。

 

現実の例で言えば、第1次世界大戦の敗戦国であるドイツ(荷車に大量の札束を載せた写真を資料集で見た人は多いと思います)や、最近で言えばジンバブエジンバブエドルですね。

デノミ(貨幣単位の切り上げ)で100兆ジンバブエドル札なんてものが出回りました(今は廃止されて、ジンバブエは外貨が基本通貨になっています)。

 

5000兆円あっても使えなければただの紙屑です。

もし自分であれば100兆円だけ残して、4900兆円は処分しますね。

もちろん貨幣を処分することは重罪で、犯罪に問われますので、政府や造幣局に問い合わせですね。

まあそもそも5000兆円という通貨を発行するという非現実的なところでおかしいのですが。

 

 

では、日本円ではなく世界の出回っている通貨を片っ端から集めたら?

今までは「日本円で5000兆円集める」を前提としていましたが、世界に出回っている外貨を片っ端から集めて5000兆円集めたらどうでしょうか?

市場に出回っている通貨を稼げば、上記のようなインフレは起きません。

急に大量の通貨が発行されて市場に出回るからインフレが起きるのです。

一般市場に既に流通している貨幣であれば問題は起きません。

 

ただ、ある個人が片っ端から集めるということは、他の人は財を失うということになります。

そうなると経済が衰退し、世界中が飢えるでしょうね。

そうなれば企業も倒産し、これまた経済破綻、もとい世界恐慌が起こるでしょうね。

そうなれば5000兆円を集めたところで使い道はなく、これまたただの紙屑同然になり果てます。

 

 

 

結論

5000兆円集めることはそもそも不可能、万に1つ集められても使い道がなくなるというのが現実です。

通貨というのは国が管理して額面以上でも以下でもないことが保証されて初めて価値が生まれる物の価値の尺度です。

この前提が破壊されてしまえば、紙幣をいくら集めようがただの紙屑です。

「お金がなければ刷りまくればいい」というのは貨幣価値の破壊です。

例え発行しても国を亡ぼすだけですね。

 

5000兆円はあくまで夢、仮に使えても一生で使いきれないですし、まさに夢物語というわけです。