去年には駄作アプリとして
・レスレリアーナのアトリエ
・閃の軌跡NW
の2つを紹介させていただきました。
特に、レスレリアーナのアトリエの記事は結構見ていただいているようです。
自分は、「目に見えた地雷」であろう「KOTY受賞作」を結構プレイしています。
あるサイトには、見えてる地雷について「知らずに踏む人と、気にしない人と、それからわざわざ好んで踏みに行く人がいる」と書かれていますが、自分は「わざわざ好んで踏みに行く人」です。
我ながら変わり者だと感心しちゃいますねぇ。
まあ、ディスガイアシリーズを同じものを別ハードでやるくらい精神は鍛えられているので、半端な地雷ゲーム、クソゲーでは精神をやられはしない自信があります。
(リアルの仕事では豆腐メンタルですがね…)
特に、「システムソフト・アルファー(SSα)」(現在はディスガイアシリーズで有名な日本一ソフトウェアの傘下であるシステムソフト・ベータに事業承継済み)の代表作の1つである「戦極姫シリーズ」はかなりプレイさせていただきました。
2009年KOTY大賞に輝くだけでなく、携帯機のPSP版と据置機のPS2版の両部門で大賞を取るという空前絶後のKOTY作品。
紛れもなく「クソゲー」の烙印を突きつけられたこの作品は携帯機では当時1万人以上の犠牲者を生みました。
その1人が自分です。
それでもなお、数多のバグにめげず天下統一まで成し遂げた猛者の一人です。
(当時の2chのスレでは、多くの人が特攻するもバグの多さに攻略を諦め、脱落したと書かれています。さらには「屈指のクソゲー」と聞いて興味を持ち、ゲームショップに買いに行ったところ、売り切れで買えなかったとも当時の2chで複数書かれていました。それは果たして本当かどうか…?)
クソゲーと謳われつつも何と2008年から2018年まで10年間も続くことになるとは当時夢にも思いませんでした。
そして自分が全作品をプレイすることになることも…
ではそのシリーズについて紹介いたします。
【戦極姫プレイ済み作品】
1、2、3、4,5、7
(6のみ現在体験版プレイ中→試行錯誤、紆余曲折の末に購入断念)
我ながら、よくここまでプレイしたものだと思っています…
(6だけ作品の都合上、CS版がないので18禁版でやるしかないとは…)
KOTY判定作品:2(2009年据置機、携帯機部門でW受賞という覇業達成)、6(2015年KOTYエロゲー板大賞)
(誤解されやすいですが、元祖18禁版戦極姫は初代ではノミネートされただけです。18禁版で選ばれたのは後にも先にも「6」だけです)
こう書くと、3つの部門すべてで受賞したことのある唯一の作品なんですよね。
後にも先にもこの三冠王は絶対に現れることはないでしょう。
戦極姫シリーズについて
この作品はジャンルでは戦国時代のシミュレーションゲームと、美少女キャラのシナリオを組み合わせた、アドベンチャーシミュレーションゲームです。
このジャンルはシリーズで仕様は色々変われども、ジャンルは一貫しています。
シミュレーションパートを進める→シナリオが進む→シミュレーションを進める→シナリオが進むという形態となっています。
よく言われるのが、アドベンチャーなのかシミュレーションなのかですが、はっきり言います。
この作品でプレイする時間の90%以上は「シミュレーション」です。
CS版移植当たって18禁要素をそぎ落としたものは、95%以上が「シミュレーション」です。
つまり、アドベンチャー要素はおまけです。
シミュレーションパートが面倒、ストーリー重視の人には向かないゲームと言えます。
逆にガチガチのシミュレーションをやりたいなら、「信長の野望」をやるといいですね。
あちらならより戦術性の高い戦国シミュレーションを楽しめるでしょう。
戦極姫初代PSP版について
シリーズ初プレイとなったこの作品ですが、上記に書いた通り「駄作」です。
調べればいくらでも問題点は書かれている通りです。
今回は実際にプレイした自分の感想を交えつつ紹介していきます。
2009年発売当初の記憶は鮮明に残っています(というより、一度プレイしたゲームは二度と忘れません)。
一番最初にプレイしたのは織田家
最初にプレイしたのはパッケージ正面を飾る織田信長の「織田家」です。
しかし、プレイを始めるとなんと「チュートリアルが一切なし」でした。
今の織田家が置かれている状況などをアドベンチャーパートでさらりと紹介され、いきなりシミュレーションパート開始…
いったいどうすればいいのか、と思いつつとりあえずコマンドなどをいじくりました。
ただ、ほぼ分からないまま6ターン程進めたところで、当主である織田信長が死亡し、ゲームオーバーへ…
(敵から攻められ、籠城し、退避する城が武将で埋まっており切腹で死亡)
ここにきて、ようやく「シナリオに関わる重要武将が亡くなるとゲームオーバー」が分かりました。
とりあえず再度織田家で始めて
・徴兵の仕組み→兵数はかなり重要な要素(野戦や包囲の威力に関わる)
・忠誠心の仕組み(低いと謀反を起こして、支配下の城が乗っ取られる)
・引き抜き(相手の武将を配下に加えられる。乱数調整で引き抜きを確実に行える)
・合戦の仕組み(圧倒的兵数差があれば包囲で落とせる)
・切腹の仕様(これも乱数調整次第で降伏させ味方に加えることが可能)
・武将は一度雇用すれば解雇は不可(登用するならあらかじめステータスを見て吟味)
などなど、あらゆる仕様がようやく分かりました。
このゲームは複雑な割にシステム紹介が不十分だし、チュートリアルすらないのは大問題だろうと、2時間くらいプレイしてようやく分かりましたね。
漂う地雷感が肌身にしみました。
しかし、織田家は周囲に敵が多すぎて、天下統一の条件(石高と威光によってゲームクリアの天下統一条件が異なる)を満たすのは難しいと思い、越後の「上杉家」でプレイすることにしました。
上杉家でプレイするも、歯応え十分の難易度
上杉家でプレイしてみたところ、織田家と同じく国内平定からですね。
当主である上杉謙信は軍神と呼ばれているだけあって統率力が高く、戦闘には有利でした。
そこから北上して南出羽→北出羽と進み、最上家を制圧
さらに北上して北陸奥で南部家を制圧
ここら辺(東北地方)はとにかく固い城が多く、30ターン近くかかった覚えがあります。
ちなみに、初代では難易度の選択(後継作である易しい、普通、難しいの選択)がないので、最初から軍資金多めなどはできない仕様でした。
めちゃくちゃ苦労しながら進めていきましたね。
(大分後の伊達家でわざと収支赤字にしてオーバーフローさせて65535の資金にすることには成功しました。ただ、伊達家で天下統一まではやっていません。結局シミュレーションパートでは上杉家と侵攻方法などほぼ差はないためです)
本州制圧半分に差し掛かるところで大問題が発生
途中は省きますが、さらに南下して、蘆名家、佐竹家、里見家、北条家、武田家などなどを制圧して、越前の朝倉家で問題が起こりました。
ここらあたりで70ターンは優に過ぎていたころだったと思います。
このターン数だと相手も3000~5000の兵数を持つ強敵と対峙することになります。
必然的に兵数差が生まれないために「野戦パート」に持ち込まれます。
相手もこちらの城に攻めてくることになり面倒でした。
野戦で苦しくも勝利して安堵したのも束の間…
なんと、退けたはずの敵が「兵数完全回復して自分が元居た城をあっさり包囲で陥落させた」ではありませんか!
となると、自分は兵数が減った状態(野戦パートで消耗させられた状態)で敵の陣地に孤立(進んだ先は敵のいる城に包囲。後ろの城は敵で陥落済み)させられるという始末…
これは非常にまずい事態です。
大抵主力で、重要武将で突っ込むことが多いですし、重要武将が死亡するとゲームオーバーですので。
何とかならないかと思案していたら、「これも引き抜きなどと同じで乱数調整でなんとかなるのでは?」と思い、途中で治水開墾などをして乱数調整したところ、見事予測通りでした。
しかし、結局調整で何とかなる乱数を見つけるのにも時間がかかりますし、中盤に差し掛かったころには1度の戦闘で8個の城に戦闘を仕掛けるなど個数が多いので無理な乱数を見たら再度調整→再度戦闘と非常に1ターン長かったです。
他にも
①軍備フェイズがない(スキップして次の内政フェイズから始まる)
→これ、ネットでは「他と比べれば些細な問題」と書かれていますが、かなり致命的です。減った兵数を補充できないと中盤以降ではかなりの大問題になります。なぜ起こるかは不明ですが、乱数調整でどうにかできた問題ではなかったはずです(何度前のターンで調整してもスキップされます)。
②徴兵すると住民感情が激減して最低値の1になる→この問題はどうやら石高を千石単位で参照し、その数値を256で割った余りの数値が住民感情に反映されるという管理がなされているのが原因らしいですが、徴兵はできても住民感情が1になると一揆多発国になるので、ゲームクリア条件の石高稼ぎを考えるとかなりの大問題です。
より詳しくいうとどれだけ石高が高かろうと、石高数値の条件が上記の条件を満たされれば徴兵最低数100兵であろうがMAXであろうが一瞬で住民感情が1になるのは大問題ということです。
などといった結構な問題になりました。
近畿地方中盤で悪夢の問題が発生!
さて、そんな問題を乗り越えつつ、100ターンに差し掛かったころの近畿地方制圧中に、その悪夢は起きました。
その問題が、「御家再興バグ」と「独立勢力自滅バグ」、「Null武将バグ」です。
ネットに書かれているバグが、当時自分にも襲われました。
1つ1つ紹介していきます。
御家再興バグ
この問題は、「南出羽」で起こりました。
なんと滅ぼした最上家の「中野宗時」という武将が、いきなり自分の城を乗っ取って最上家を再興させたのです!
「は?なんで滅ぼした大名家がいきなりしゃしゃり出てくるの?」と、乱数調整をかけたのですが、何度やっても同じ武将が同じ場所で出てくるのです。
幸い、周囲にちょっかいをかけられないよう、あらかじめ周囲を包囲しておく対処で乗り越えましたが、包囲に手数を割かれたので、大問題でした。
独立勢力自滅バグ
この問題は、大和国で起こりました。
国は全ての城を制圧して、一切の敵城がないのに急に「独立勢力が攻めてきました」と表示されて、その直後に「独立勢力は滅びました」と出ました。
もちろん城に一切の被害などはなく、「勝手に出てきたと思ったら勝手に滅びた」というものです。
実害はないのですが、問題なのは「毎ターン同じ場所で起こる。対処のしようがない」と「単なる遅延行為でストレートに鬱陶しい」というものです。
ストレスマッハです。
Null武将バグ
これも同じく大和国でおこりました。
統率、智謀といったステータスが0で、顔グラフィックなども一切ない(真っ白の顔)、まさに「Null」の状態の武将です。
この武将を操作しようとするとフリーズするので、一切触れてはいけない、まさに地雷です。
出現条件も一切不明で、結局最後まで地雷を放置したままにしておきました。
本州全平定、四国全平定、九州に差し掛かったところで天下統一条件を満たすことに
結局、そんなバグにも負けず、150ターン程やったところで「天下統一の条件を満たしました」と出ました。
その後もやりつづけ、九州最後の国、薩摩を完全制圧して日本の全ての城を落としたのは170ターンをゆうに回りました。
時間にして乱数調整などのためにロールバックした時間を含めれば100時間は軽く超えたでしょうね。
わずか1ルート攻略のために100時間…
とんでもないゲームに手を出してしまったと思いましたね…
初の天下統一は上杉家でした。
本当に今思えば何十時間もかけてよくやったものです。
バグまみれで途中からはシナリオもない(本当に何もないです。ただひたすらバグにおびえつつシミュレーションパートをプレイ)、城をただひたすら落とすゲームになっていました。
その他の問題点(残念な点)
その他初代無印にはいくつか問題点、残念な点があります。
武田家のシナリオ
大きなネタバレはしませんが、シナリオにはツッコミどころが多いです。
いや、武田家だけではありませんが…
シリーズ通して正規エンディングがバッドエンドのような終わり方なのはこの無印武田ルートくらいでしょう。
そのシナリオは是非プレイしてみてください。
主人公の正体にも着目です。
伊達家のシナリオ
とにかく初っ端が蘊蓄だらけのアドベンチャーパートです。
いつになったらシミュレーションパートに入るくらいと思うくらい導入が長いです。
真面目に読んでいたら軽く1時間くらいかかるアドベンチャーパートが最初にあります。
シリーズ屈指の長さと蘊蓄の多さです。
その原因の一端は片倉景綱の出自なのですが…
正直、半分くらいすっ飛ばした方がいいと思います。
まとめ
KOTY大賞の名に恥じぬバグの多さです。
とにかくセーブデータは分けて、1ターンどころか「1フェイズごと」にセーブしていました。
そうでないと乱数調整はできませんし、なにより巻き戻し作業が面倒です。
もし初代をプレイするなら「各フェイズごとにセーブを分けること」です。
ちなみに、これはバグが減った後継作でも推奨する方法です。
後継作でも乱数の要素はあるので、バグ回避以外にも有効な手法です。
他の大名家ももちろんプレイしました。
ただ、一度天下統一するともうお腹いっぱいでしたね。
ある程度シナリオを見たら、わざわざ天下統一までする必要はないと感じました。
初代では特に最後天下統一をすればちょっとシナリオを見れる程度ですので、美味しい部分は中盤までと思いました。
シナリオの評価ですが、まあ「どれも消化不良」と感じました。
どのシナリオでも言えることですが、元々は「18禁ゲーム」であり、PS2やPSP版のCS移植に当たって18禁要素がごっそり抜かれて、その補充は無しなので、消化不良になるのは致し方なしです。
イラストで言えば、織田家、伊達家≧上杉家、武田家、大友家≧島津家、毛利家もろもろと言った感じでしょうか。
木下藤吉郎がまんま猿だったり、島津家面々が残念、大友宗麟も残念、一部武将は「これは同人誌でも出せないレベル」があったりと残念なところはありました。
(余談ですが、18禁初代戦極姫はもっと酷い武将がいました。あからさまに酷い朝倉景鏡や柴田勝家、毛利三連星の面々、今川義元や斎藤道三などはCS版移植に伴い全面刷新。当該絵師は二度と起用されることはありませんでした)
<参考公式サイト>
(斎藤道三にいたっては、読みが「さいとう どうざn」と書かれている始末。本当にゲームは愚か、紹介サイトすらチェックすらしてないのですね…)
一応名誉のために言っておくと、どうやらキャラの絵に問題があるのは原画絵師だけではなく、塗り担当にも問題があったと言われています。
後の記事にも書きますが、もしプレイするなら「3、4、5、7」の「CS版」をおすすめします。
18禁要素なんて、正直いらないです(各作品18禁版、CS版両方をプレイしてみましたが、はっきり言って不要です。18禁版はただ高いだけです)。
6はあまりの不評からCS版は発売されることはありませんでした(今後も会社の都合などを考えて絶対に発売されることはありません)。
シリーズファンなら6は手を出すなと方々から言われています。
特に、これというなら「7」でしょうね。
7の武田家および真田十勇士編だけでもプレイする価値はあると断言できます。
(マジでお勧めです!)
システムとしても、話としても、イラストとしても完成形です。
5が最高傑作とも言われていますが、それは間違いないと思います。
18禁版の遊戯強化版・弐も含めれば、最大ボリュームでストーリーもよくできています。
ここで書いたバグは当然ありません。
(ただ、めっちゃボリュームあります。全部のルートをやるにはかなりの時間がかかります)
ただ、ガチファンの自分から言わせれば、全作品を通して武田家および真田十勇士編が一番良かったですね。
その話は別記事で書こうと思います。
順番にプレイするなら、3→4→5→7でしょうね。
5から7に飛ぶと、野戦などの仕様が大きく変わって最初は戸惑いますが、7には親切にチュートリアルもあるので(5などでもありますが)、大きく戸惑うことなくプレイ可能です。
最後に付け加えると、このゲームをやるとかなり戦国時代に詳しくなると思います。
さすがに1つ1つの乱などを全て網羅しているわけではありませんが、かなりの城や武将が出てきます。
当然、学校では習わないようなマイナー武将も多数でてきます。
この作品をやり込んだ暁には、戦国時代の武将の名を結構覚えるのではないでしょうか。
少なくともバリバリの理系(その実、社会科が最も得意な文系派)の自分はかなり戦国時代に興味を持ちましたし、マイナー武将にも詳しくなりました。