ゲームとCADで趣味全開!

ゲームの世界をCADで現実にする。3Dモデルを作るのが得意です。他にゲームとしてプリコネやディスガイアシリーズの攻略などを書いています。

【ゲーム評論】戦極姫シリーズについて④【KOTY大賞受賞作の戦極姫6を紹介】

シリーズファンなら精神が破壊されて、ディスクを破壊するレベルとも言われる屈指の大不評作の戦極姫6。

なぜ、最高傑作と名高い5の後にこんな作品が出てしまったのか…

 

自分も、カートに入れて買う直前に何度も吟味を重ね、3ヶ月が経った今も買えずにいるほどの作品です。

 

断言します。

「シリーズをやる人なら6は手を出さない方がいい」です。

逆に初めて戦極姫シリーズをやるなら6もアリかなとも思いましたが、それでもきついところがあると思います。

結論として、誰であっても6を買う必要性はないと思います。

 

その理由は、「ストーリーがダメ(キャラ設定がダメ)」だからです。

その詳細を以下に記します。

 

 

 

 

 

シリーズ初のW主人公とするも…

まず公式は思い切った変更を行いました。

今までの作品は全て主人公は「天城颯馬(あまぎ そうま)」一本だったのに対し、新たな主人公である「榊月冴(さかき つかさ)」を作り出しました。

(結構間違えて「月牙」と書かれているサイトが多いです)

 

まあここまでなら「W主人公は別に珍しくもないし、いい試みなんじゃない?」と思いました。

 

しかしこの新主人公の性格が最悪でした。

18禁版しか出ていないので、要素も18禁なのであまり詳しく書きたくないのですが、端的に書くなら「今までの作品の女キャラを乱雑に食い散らかすキャラ」だったのです。

性格も「二次創作の性格最悪のチートハーレム主人公」と言われています。

 

加えて、「88人の女性キャラの内、82人が新主人公担当」という有様で「Wってなんだ?実質新主人公一本同然じゃないか!」という始末。

従来の主人公である天城颯馬はたった6人しか攻略できないなんて…

 

これにはシリーズファンはブチギレ、公式は謝罪、「遊戯強化版では抹消扱い(以降も一切触れない)」と完全に黒歴史となりました。

 

 

新主人公の実態は…

性格については上記の通りです。

その実態はあらゆるサイトを見た結果

 

①女性キャラが新主人公に出会う

②新主人公が女性キャラに料理をふるまう

③女性キャラは「大好き!抱いて!」と言う

 

大体ほぼ全てこんな感じです。

どんな性格のキャラであろうとこの流れです。

ふるまう飯は「媚薬飯」、「即堕ち2コマ」と言われるのも納得ですね。

 

これ、シリーズファンからしたら泣きたくなりますよ。

元祖主人公の颯馬は堅物で、きっちり悩みを解決して悩んだ末に添い遂げるという王道で好評だったのですが(まあプレイヤーからすれば、どこまで焦らすんだよ。じれったいなあと思うところもありましたが)、新主人公はあっさり飯で落としますからね。

しかもその後は放置したりと最悪です…

 

 

では、シミュレーションパートはどうかと言うと…

アドベンチャーパートについては上記の通り、新主人公がほぼ独占、内容も最悪なのですが、時間の大半を占めるシミュレーションパートはどうでしょうか。

前作の5では多くの家で天下統一可能な大ボリュームだったのですが、今作はほぼ「地方統一で打ち切り」です。

 

前作でボリュームが多すぎた反省なのかは分かりませんが、大半のルートで「地方統一でルートクリア」です。

しかも、天下統一できるのは「新主人公の2ルートのみ」となっています。

 

遊戯強化版・壱では颯馬ルート3つ追加ですが、天下統一不可

遊戯強化版・弐でも颯馬ルート3つ追加ですが、これまた天下統一不可

 

うーん、これは全部買っても結局新主人公の2ルートしか天下統一できないのは大問題ですね…

地方統一エンドも「シナリオが良ければ軽く遊べて良い」と言えるのですが、そのシナリオがダメダメ(颯馬ルート含め)なので、大不評なのですよね…

 

完全に前作5で力尽きてしまったと感じずにはいられません。

 

 

キャラグラフィックについて

なぜか男性ユニークキャラが多くなっています

このゲームを買う層としては、女性ユニークキャラに魅かれて買う人が多いのですが、なぜ男性ユニークキャラを増やしたのか!

「それなら女性ユニークキャラで実装しろよ!」と思ったのは自分だけではないはずです。

これも食指が動かない理由の1つです。

そりゃあ、モブ武将のままよりかはマシなのですが…

どうせユニークにするなら、ねえ…?

 

とりあえず、特に気になった地方の登場キャラについて、辛口ですがコメントしていきます。

 

 

九州地方について

 

 

吉弘さんや、蒲池さんは確かに大友家重臣ですが、どうも他の女性武将と並ぶと浮いている印象…

龍造寺四天王の1人、百武さんも塗りが酷い…

これなら2の方がずっとマシでした…

 

甲斐宗運と相良義陽(よしひ、と読みます)は5の続投で良いですね。

5には遊戯強化版で阿蘇家ルートもあります(PC版アプリアイコンは相良義陽です)。

人気キャラだったのが伺えますね。

(でも7で抹消されたので残念です…)

 

後述する毛利元就江里口信常がキャラも色も被ってるのも残念です。

(絵師さんは別です)

 

ちなみに全シリーズを通して、大友家キャラグラフィックは4が最高の出来だと思います。

(当主の大友宗麟がキャラ紹介一覧にいない理由はプレイしてみてください。一風変わっていますがストーリーはいい方だと思いますよ。全国統一不可の地方統一エンドです)

 

 

北陸地方について

 

 

上杉謙信のキャラグラフィックはシリーズ最高の出来(後継作の7を含めて)なのに、その周囲が残念です。

右腕である直江兼続が少年とか、このシリーズで誰得なのですか?

(ショタ好きがこの作品をやると思っているのですかね?)

せめて右腕くらいはきっちり女性ユニークであってほしかったです。

 

柿崎景家は2以来のユニーク化ですね。

(今思えば、上杉謙信が青、宇佐美定満が赤、柿崎景家が緑とちゃんと色分けされているのですね)

直江景綱を男性ユニーク化するなら、もっと別キャラ(5で男性ユニークの水原親憲とか、上杉景勝とか)を女性ユニークにしてほしかったですね。

あと、朝倉宗滴とか削除してほしくなかったですね。

北陸地方の左側(=現在の富山県、石川県、福井県あたり)、キャラ少なすぎです。

 

 

近畿地方について

 

 

近畿地方、泣きたくなりますね…

半兵衛さんと官兵衛さん、5のままで良かったです…

これはこれでいいと言う人もいるでしょうが、秀吉含め同じ絵師さんに刷新統一する必要ありましたかね?

 

松永一族が多く出てきた点は評価できます(特に久秀はシリーズごとにグラフィックがよく変わりますが、松永家全体でみるとするなら6が完成形と言えるのではないでしょうか。でも3の三好家ルートがよくできているので3が個人的に一番好きですね)。

ただそれ以外は…

 

下間頼廉は他作品ではチート坊主で戦力として重宝できると言われるので、女性ユニークは良かったのですが、本願寺光佐は…

 

あと、銃の名手・雑賀孫市鈴木重秀)は過去作の方がいいです(百武さんと同じ)。

 

筒井順慶柳生宗厳は同じ絵師さんで、今までもずっと書いてきている(本田忠勝など)絵師さんですが、正直言って進化しないですね…

 

あとは5の上杉家担当の絵師さんは今回は足利義輝担当のようですが、絵は良くても塗りが黄色っぽいのは相変わらずです(塗りをしっかりしてほしいです)。

 

和田惟政も名立たる名将ですが、こんな姿でユニーク化してほしくはなかったです…

(現実はこんな風なのでしょうが、この作品は「戦極姫」ですからねぇ)

 

 

山陰・山陽地方について

 

 

溜息しか出ません…

前作5で毛利家は

毛利元就

毛利隆元

吉川元春

小早川隆景

毛利輝元

と充実していたのに、大幅削除というか、元就以外全員削除相合元綱志道広良だけになるなんて…

ただ、志道広良はユニーク復権であり、そこは評価できるかもですね。

ちなみにシナリオをやれば分かりますが、削除したのには理由があります。シリーズファン(特に5をプレイした後)からしたら絶望のシナリオですが…

毛利元就も正直言って劣化です(絵から見ても個性が失われた気がします)。

なぜ5から劣化させたのか、せめて4のレベルであってほしかったです。

 

宇喜多秀家明石全登大内義隆と冷泉隆豊は5からの続投ですね。

相良武任と陶隆房(晴賢)はユニーク復権です。

尼子の2人は刷新です。

同じく、稲富さんも刷新ですね。

 

 

関東地方について

 

 

どうしてこうなった…

山内憲政のユニーク化は良し、太田資正のユニークも刷新されてもまだ良しですが、それ以外は…

鬼の佐竹義重と真壁氏幹はまあ続投なので違和感はないですが、北条家が酷い酷い…

キャラ立ちすぎですし、シナリオも酷いという苦痛。

結局、この北条家の絵師の方は今作限りでお役御免となりました。

 

一番許せないのは、小田家重臣中の重臣の「菅谷」を「すがや」と読みを振っていること。

正しくは「すげのや」です。

どこを見ても「すがや」なんて書いている資料はありません。

見た瞬間に「これを間違えるとかあり得ない」と愕然としました。

幾度となく戦で敗北する小田氏治を裏切らず寝返らずに支え、徳川家康からも忠臣ぶりを評された一族の名を間違えないでほしいです。

 

 

まあ他にも伊達家家臣の「鬼庭」を「おにわ」と振っているのですが。

正しくは「おににわ」です。

どうやら「おににわ」と「もにわ」をごっちゃにしているようです。

 

ちなみに、小田氏治はシリーズでも愛されキャラです(もちろん、戦国マニア界隈でも)。

前作4では専用ルートもありますし。

一方で登場イベントから一定イベント経過で滅亡する(滅亡=キャラも消滅していなくなる)という鬼畜設定もありましたが…

(イベントが挟まるたびに焦りますし、そのイベントは笑いと涙を誘いますが。そのイベント全消化までに滅ぼされることも多々ありました)

設定上、島津や大友ルートでは滅亡までに保護(配下に加える)は絶望的ですので、必然的に上杉や伊達、北条といった近辺の大名で始めないといけないのは余談です。

更に余談ですが、後継作7では中々に鬼畜なシナリオ回収イベントもあります。

 

 

せっかく、松永一族のユニーク化や、龍造寺四天王のユニーク復権もあったのに…

男性武将で嵩増しは残念です。

 

 

ルートの偏りが酷い

上記の通り、ほぼ全国統一不可なので全国のユニークキャラと戦闘はできないのですが、なんにしてもルートの偏りが酷いです。

 

 

こんな感じでほとんど東日本にルートが偏っています

九州に至っては大友家のみです(今までの島津家ルートはどこに行った!?)。

 

中国地方は大勢力は毛利家なのでまだ分かります。

(宇喜多家や尼子家、陶家や大内家などいますが、ユニークやシナリオ作成上仕方なしかと。大内家は頑張れば作れる気もしますが)

四国地方も長宗我部家なのは分かります。

(河野家や一条家で武将やシナリオを作るのは難しいでしょう)

 

残念なのは、せっかく島津家や龍造寺家もユニークキャラが多いのに、九州には大友家しかルートがないというのはどうかと。

せめて、龍造寺家か島津家どちらか全国統一可能でルート用意をしてほしかったですね。

 

 

 

まとめ

こんな感じで

・新主人公がダメ(性格が最悪)

・新主人公が攻略キャラの9割以上を取っているのでダメ(88人中82人を新主人公に割り振ったことに誰も疑問を持たなかったのでしょうか?計画を通したプロデューサーは更迭ものです)

・シナリオも新主人公の性格のせいでダメ(新主人公の性格のせいでせっかくのヒロインもダメに)

・大半が地方統一で打ち切られるのでダメ(やり込み要素が薄い)

とシステム面は良いのにシナリオがダメというわけで大不評でした。

 

シナリオがダメ」という王道のダメ要素で2015年KOTYエロゲー板大賞受賞に至りました。

これには涙を禁じえません。

せっかく順調に進化していったのに、思い切ったW主人公の実装でこうなるとは…

その新主人公の性格はどのルートでも一貫して同じなので、シナリオライターが悪いわけではなく、性格設定をした人が悪いのでしょう。

 

18禁要素を取り除いてしまうと、新主人公が9割以上を持っているため、削ると残り1割になってしまうのでCS版では出されることはありませんでした。

(CS版を出す=新たにストーリーを書かないといけない=そんなことするなら続編を出すという流れですね)

7まで出ている中で、唯一CS版がないのはこの6だけです。

 

もし6をプレイするならすっ飛ばして7をプレイすることを強く、強くお勧めします

すっ飛ばしても何の問題もありませんし、6とは比べ物にならないほど良作です。

そもそも比べることすらおこがましいです。

 

そもそもの話ですが、女体化ゲームなのに、男性キャラを増やしすぎなのがどうかと思いますが(0にしろとは言いません。男性キャラでもいいキャラ(3でいう十河一存とか)もいますので)。