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【2017年ヤクルト】球史に迫る100敗も見えた暗黒時代

2017年、ヤクルトでは山田哲人が2015年、2016年の2年連続トリプルスリーを獲得するなど期待を持たれていましたが、肝心の2017年シーズンチーム成績は

 

45勝96敗2分

 

96敗

96敗

96敗

 

借金51という圧倒的数字…!

日本プロ野球史上、シーズン100敗を喫した球団は今はなき「近鉄バファロー(1961年。36勝103敗1分。後の近鉄バファローズ)」の1回のみです。

 

当時のシーズン終了間際には「記録を塗り替えるシーズン104敗もありうる」とスポーツ新聞で囁かれていたほど弱かったです。

 

なぜ、これまでに負けが込んでしまったのでしょうか。

 

 

 

 

原因その①:怪我人の続出

これが最も大きな理由です。

今に始まったことではありませんが、ヤクルトはとにかく怪我人が多いです。

去年にしても、今年2024年にしても監督が嘆くほど「故障者が続出」しています。

開幕前から怪我人が出ては、シーズンを戦い抜く計算が最初から破綻してしまいます。

 

2017年も主力級の打者である川端や、投手にしてもクローザーの秋吉も離脱するなど投打ともに主力を欠いて戦わざるを得ませんでした。

 

もちろんこの2人だけでなくその惨状は2軍までにも及び、人員不足で2軍戦すらできないほど故障者が多かったようです。

 

 

 

原因その②:クローザーの不在

過去、1998年の千葉ロッテマリーンズにも同じことが言えました。

この時のロッテも主力クローザーが揃って離脱し、先発エースの「ジョニー」こと黒木が抑えを務めざるをえないほど戦力に悩まされていました。

 

打線は水物な上、投手が揃っていれば試合に勝つことはまだできます(投手が優秀で0で相手を封じれれば負けはないため)。

 

しかし、投手が崩壊すればそう簡単に勝つことはできません。

なので最も重要視されるのは、先発、中継ぎ、抑えの駒数です。

 

中継ぎや抑えの不在は、先発投手に大きな負担を与えます。

リリーフ陣がいないと長いイニングを夏場ですら長期にわたって投げないといけないわけですからね。

どんな鉄人と言えども、必ずバテは来ます。

 

この時のヤクルトも先発である「ライアン」こと小川がクローザーに回されました。

 

皮肉にも黒木と同じ慣れない抑えのマウンド。

プロの投手と言えどもすぐに対応できるわけがなく、複数回の救援失敗で1軍登録抹消にされました。

 

その最たる例が2017年7月7日の対広島戦(神宮球場)で8-3で勝ち越していた9回表のマウンドです。

平成版・七夕の悲劇

 

①先頭打者・バティスタに初球を3塁側に軽々と運ばれる(8-4

②2番手・田中広輔を抑える(1アウト)も、3番手・菊池涼介に1ボールからの2球目を3塁側にスタンドインされる(8-5

③4番手・丸佳浩に四球を与え1アウト1塁

④5番手・鈴木誠也を抑え2アウトとするも、6番手・松山竜平にタイムリー2塁打を浴びる(8-6)、2アウト2塁
広島は2塁ランナーを松山から代走・上本崇司に交代

⑤7番手・西川龍馬はセカンドへ際どい打球も判定は内野安打となり、2アウト1・3塁に。
広島は1塁ランナー・西川を代走・野間に交代

⑥8番手・新井貴浩(ジェイ・ジャクソンの代打)が2ボール1ストライクから甘く真ん中に入ったボールをセンターへスタンドインし3点本塁打8-9)、逆転に成功

 

9回裏のヤクルトの攻撃は広島の抑え・今村猛に抑え込まれそのまま逆転負けを喫しました。

 

わずか1イニングで6点を入れられ、逆転負けを喫する結果に。

まさにこの年のヤクルトの投打の噛み合わなさを象徴していたと思います。

 

 

 

原因その③:投打がとことん噛み合わない

上でも書いたことですが、チームバランスとして致命的です。

トリプルスリー・山田哲人と巨砲・バレンティンに加え、坂口などの選手がいながら、とことん投打がかみ合いませんでした。

打っても効率的に得点できず、その間に投手が崩壊して負ける…

こんな試合がシーズン通して多かったです。

 

 

 

シーズンチーム月間勝敗数

3月&4月

10勝15敗0分

まだ春先はマシなものでした。

 

 

5月

10勝14敗0分

5月終了時点で借金9と借金2桁間近です。

これがシーズン最後の2桁勝利となりました。

 

 

6月

8勝13敗1分

今月も勝ち越せず、ここから本格的な崩壊(先発が疲れてなかなか試合を作れない)が始まります。

 

 

7月

5勝17敗1分

上記七夕の悲劇が起こった月です。

7月7日の試合を含めて10連敗(7月1日の阪神戦~7月21日の阪神戦まで。1分けを含む。7月22日の阪神戦で連敗脱出)を喫しました。

なんと21日間(3週間)の間、1回も勝ちを見られないという悲惨さに、各スポーツ紙は話題にしました。

 

 

8月

7勝19敗0分

負の連鎖は一切止まらず、あわや月間20敗の危機でした。

3連敗は当たり前のようにありました。

 

 

9月

5勝18敗0分

各スポーツ紙が100敗するかとも報じていました。

結局100敗は免れたものの、たった5勝しかできず結果的に96敗という敗戦数でシーズン圧倒的最下位で終えました。

 

 

 

シーズン個人成績(主だった選手)

 

投手

・ブキャナン(6勝13敗、防御率3.66)

チーム唯一の規定投球回到達投手

失点は75とリーグワーストの結果に(自責点は65)。

 

 

・原樹里(3勝11敗、防御率3.84)

勝ち星に恵まれず大きく負け越す羽目に。

 

 

・小川泰弘(8勝7敗、防御率2.83)

唯一の勝ち越し投手。

上記の通り抑え不在のためにクローザーを任され、炎上したために2軍落ちも経験。

クローザーがいればもっと良い成績だったはず。

 

 

石川雅規(4勝14敗、防御率5.11)

今なお現役の鉄腕。

この年は投げれば投げるほどとにかく失点して負ける驚異の負け運。

1人だけでチームに10敗の借金を負わせる羽目に。

自責点もリーグワーストの70。

 

 

 

野手

規定打席到達野手は4人です。

 

山田哲人(143試合、624打席130安打24本塁打78打点、打率.247)

3年連続トリプルスリーならずともフル出場を果たして十分な成績を残しました。

 

 

坂口智隆(136試合、607打席155安打4本塁打38打点、打率.290)

安打製造機は伊達じゃない。

155安打を放ってチームに多大な貢献をしました。

 

 

バレンティン(125試合、519打席130安打32本塁打80打点、打率.254)

ご存じ2013年にNPB記録の60本塁打を放った超巨大砲

調子を落としているものの、チーム最高の32本塁打を放っています。

 

 

中村悠平(127試合、486打席102安打4本塁打32打点、打率.243)

ファウルチップによる一時離脱はあったものの、100本以上の安打を放ってシーズン通してチームに貢献しました。

 

 

 

チーム記録

セ・リーグ順位

6位(45勝96敗2分、勝率.319

 

唯一の90敗

唯一の勝率3割台(しかも.333を下回り、3回に1回すら勝てない)

現時点で21世紀唯一の借金50超え(暗黒期の横浜ベイスターズすら凌駕)

5位(中日ドラゴンズ。59勝79敗5分。勝率.428)とのゲーム差15.5という圧倒的最下位

(ちなみに優勝は88勝51敗4分の広島東洋カープで、44ゲーム差

 

圧倒的不名誉な結果でした。

2017年のセ・リーグ首位打者DeNAの宮崎敏郎(打率.323)だったので、それよりも勝率が低かったわけです。

 

さらに、月間MVPや年間タイトル獲得者も一切なしの良いところなしづくめでした。

 

 

交流戦順位

12位(5勝12敗1分、勝率.294)

 

交流戦でも単独最下位でした。

 

 

 

まとめ

どんなに弱いチームでも3割は勝つ」と言われているのはご存じでしょうか。

もともとは「パワポケ11」の1シーンなのですが、実際のセイバーメトリクスの計算上でも「どんなチームでも勝率は.294以上になる」とされています。

 


ちなみに、チーム勝率3割を切った例はNPBでは9例のみ存在します。

1つは2005年参入の楽天なのですが、これは球団再編成の都合上、楽天側が圧倒的不利な決まりになっていたため(オリックス側が主力選手を優先プロテクトできる)、仕方がないことです。

それ以外はドラフト導入前(1964年以前)の例がほとんどです。

 

なお、2005年の楽天を除けば最後に勝率3割を切ったのが「1970年のヤクルトアトムズ」で、ドラフト導入後(1964年以降)&新規参入を除く唯一の勝率3割切り球団です。

くしくもヤクルトは不名誉な記録を2度作りかねない状況だったと言えます。