ゲームとCADで趣味全開!

ゲームの世界をCADで現実にする。3Dモデルを作るのが得意です。他にゲームとしてプリコネやディスガイアシリーズの攻略などを書いています。

【CADソフト紹介】Fusion 360について紹介【CADソフトの選び方や3D/2DCADソフトについて】

自分が趣味で使っている3DCADソフトはずっと前の記事で書いた通り、Autodesk社の「Fusion 360」というソフトです。

基本は無料でも使えますが、制約があったりします。

完全無料のフリーCADソフトもありますが、無料であるからには何かしら制約がつきものです。

 

今回は、約2年近く使ってきている「Fusion 360」について紹介したいと思います。

 

 

 

 

Fusion 360の特徴

一般的に「3大CADソフト」というと

 

・CATIA:ダッソー・システムズ社(CATIA V4、V5、V6とバージョンあり)

・NX:シーメンスPLMシステムズ社

・Creo:PTC社(以前は「Pro/Engineer」という名称でした)

です。

これらは「ハイエンドCAD」に分類されます。

 

ハイエンドというだけに幅広い事業分野で用いられており、基本的に「法人向け」となります。

一部では大学や研究者向けでアカデミック仕様で格安ないしは学生は無償利用できたりします。

個人でももちろん購入は可能ですが、年間数百万円~数千万円(オプション次第。保守点検費もかかります)と到底購入できる価格ではありません。

そもそも個人が遊び感覚で使うには明らかにオーバースペックです。

 

 

対して、「Fusion 360」は価格や機能面で考えると「個人向け」でしょう。

もちろん、商用利用も加味して売られているので「法人向け」でもあります。

こちらもオプション機能がありますが、最低限のバージョンで十分作業ができます。

より複雑な機能を使いたかったり、構造解析などをしたい場合は別途オプションを購入すれば使用可能です。

当然ですが、オプションを付ければ付けるほど高額になります。

 

 

余談ですが、自分の場合、Creoは大学/大学院時代に使用、CATIAとNXは現在仕事で使っています。

つまり、3大CADは全て網羅しています。

今となってはCreoは使っていないので今使うのは難しいかもしれませんね。

完全に使えないわけではないですが、どこにどのコマンドがあるかもはや記憶が怪しいです(当時とバージョンが大分変わっているでしょうし)。

 

 

 

Fusion 360の価格

Fusion 360は年に数回割引で提供されます。

1月31日までは「50000円/年」とかなりお安く提供されていました。

月額換算で約4200円ですね。

1日換算なら140円くらいと機能と価格のバランスで考えればかなりお得でしょう。

 

次の日の2月1日には通常価格の「96800円/年」と倍近くになっていました。

 

<2月1日のFusion 360の価格画面>

https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/overview?term=1-YEAR&tab=subscription&plc=FSN


正直に言いますと、年間10万円近い価格では買いたいとは思いません

どこまでソフトを使い倒すかにもよりますが、自分のような町作り程度なら出して「50000~60000円/年」でしょう。

もちろん無料が一番ですが、できることなら「30000円/年」くらいが理想です。

 

というのもフリー3DCADソフトでかなり使えるソフトがいくつもあります。

そもそも3DCADソフトは多くはないものの、無料で使えるソフトがあるのは事実です。

 

例えば有名どころでいうと、「FreeCAD」や「Jw_cad」ですね。

ただし、無料であるからには最初に書いた通り有料ソフトと比較して「制約」があります。

 

 

 

無償CADソフトの制約について

詳しく書くと長くなるので簡潔に書きます。

無償CADの制約は大きく分けて2つあります。

 

 

2Dしか使えない

まずはこれですね。

3Dモデルを作るには当然3D制作対応のソフトでないと作れません。

先に挙げた「Jw_cad」は2Dのみ対応です。

というのもJw_cadは建築設計関係向けなので平面図設計関係で利用する人向けだからです。

無償CADを利用する際は、「どんな目的で利用するか」を先に考えて、対応するソフトを使用しましょう。

 

余談ですが、3DCADソフトであれば、基本的に2Dにも対応できます。

3Dであるということは、X、Y、Zの3軸があるので、XY平面だけにスケッチすれば2D図面を作ることもできますからね。

敢えて3DCADソフトで2D図面を作るネックを上げるとすれば、機能性と出力拡張子でしょうか。

2DCADソフトは3Dモデルは作れないものの、2D描画関連の機能は充実していることが多いです。

 

 

対応する拡張子が少ない

次に大きな理由がこれです。

有償CADにも言えることですが、対応する拡張子の幅はかなり大きな問題です。

無償CADでは有償CADに比べて対応する拡張子が少ないです。

一般的なstpやigesなどは大体どのCADソフトでも対応していますが、x_tファイルや3dsファイルなどといったそのソフト特有の拡張子ファイルを開くにはオプション機能を付けるか、別形式に変換するといった作業が必要です。

 

実際自分の話になりますが、Autodesk社のソフト(だいたいAutoCADですが)の主なファイル形式である「x_tファイル」を送ってくる客先がいます。

これをCATIAやNXで開こうとしてもオプションなしでは対応していません。

なので、客先にはいつも「stpファイル形式で送付お願いします」と連絡しています。

 

3大CADでもこうなので、無償CADだとかなりの制約でしょうね。

そこまで幅広いファイル形式に対応する必要があるかは使い方次第ですが、ネット上のフリー3Dモデルを使う場合は拡張子の対応幅が広いに越したことはありませんね。

ただし、全拡張子に対応する3DCADソフトは1つもありませんのでご注意ください。

 

 

 

Fusion 360無償版の制約について

話を戻しまして、Fusion 360の「無償限定版」についてお話しします。

無償限定版は一部の人を除いて30日間だけですが、フルでソフトの機能を使用できます。

 

<一部の方とは?>

教育機関用(教員や学生)

・非商用(営利目的で利用しない人)

 

 

30日間を過ぎたときには引き続き利用はできるものの、機能が制限されます。

例えば、「編集できるファイル数が10個(10個を超えるファイルを編集する場合は、どれかのファイルを「読み取り専用」にいちいち切り替えないといけない)」などですね。

不便さを承知なら無料で利用し続けるのも手ですね。

 

後は、営利目的(モデルを作って販売するなど)で使用するのに、非商用版で使い続けるのも禁止です。

もし利用違反が見つかった場合は、訴えられる可能性もあるので十分気を付けてください。

 

 

 

自分が有償版を購入している最大の理由

最大の理由は「不自由さを解除するため」です。

上記に挙げた「編集ファイル数の制約が大きすぎる」ためです。

とにかく町を作るには膨大なパーツ数が必要です。

編集するたびに一々読み取り専用と編集可能を切り替えるにはあまりに時間と手間がかかります。

逆に言えば、その大きな制約を気にしないのであれば、商用利用でもない(完全に自分で作って見て楽しむだけ。モデルを売ったり、3Dプリンターで販売も一切しない)ので、無償版でも十分です。

 

 

 

まとめ

自分の目的であれば、無償3DCADでも十分だと思います。

それでもあえて有償3DCADを選んだのは、その使いやすさ(インターフェースなど)がうまくマッチしたからですね。

常日頃より複数の3DCADソフトを使っているので、どこにどのコマンドがあるかのインターフェースになれるのには1週間もあれば十分でした。

一方で、機能をフルに使っているかといえば、完全にNoですね。

Windowsの機能を全て完全に把握して使いこなしている人は世界中で誰1人としていない」のと同じ、とまではいかないですが、1ソフトを完全に使いこなす人はそうそういないでしょうね。

バージョンも定期的にアップデートされますし、開発者クラスでもなければ全機能を網羅把握している人はいないでしょう。

ただそれでも、ニビシティやタマムシシティのような町を作ることは可能です。