以前の記事で「資格は就職や転職であまり役に立たない」と書きました。
これは事実であることは間違いありませんが、「ないよりはあった方がいい」のは事実です。
医師や弁護士のような専業資格を除いては、「その資格に合格するだけの技能や知識はある」という証明になります。
今回は「機械・プラント製図(機械製図CAD作業)2級」の合格方法と対策について書きます。
機械・プラント製図(機械製図CAD作業)2級の合格率
年度によってばらつきはありますが、概ね「平均30~40%」程度です。
難しいときは25%、簡単な時は44%と非常に大きな差があります。
しかも、「難しい時と易しい時が交互に来る」ので、難しい年に当たったときは厳しいと思いましょう。
それでも4人に1人は合格するような資格ですので気負いする必要はありません。
試験内容について
試験は「実技」と「学科」の2種類があります。
2級の場合は実技が4時間です。
学科は1時間40分です。
特に、実技の難易度と時間がネックです。
逆に学科は超楽勝です。
高3の夏で物理偏差値35を叩き出した自分ですら「こんなの1時間勉強すれば合格できるでしょ」と思えるレベルです。
実技の試験内容について
実技の試験時間は上記の通り「4時間」です。
ただし、ぶっ通しではなく途中に休憩時間が数回あるので安心してください。
この実技の試験で不合格になる人が多いです。
後述しますが学科で落ちる人は1割から多くても2割程度です。
試験問題は決まっていて、必ず「鋳物」です。
鋳造製品に慣れていないと非常に苦労します。
もちろん自分も設計技術者ですが、鋳造メインの設計者ではないので慣れるまで苦労しました。
試験問題の詳細
問題は、概ね10数個の部品が組み合わさった製品で、メインとなる鋳造部品を抜き出して三面図(+断面図や詳細図)を書きます。
渡されるのはA2の図面で、それを定規や分度器などを使って図面に落とし込んでいきます。
重要なのは「どれが問題の対象の部品か」を把握して、「境界線」を引くことです。
試験会場には「マーカーペン」も持ち込み可能なので、うまく道具を駆使して問題の対象となる部品の境界線をマークすることです。
特に重要な点
もちろん、図形を描くだけではありません。
寸法や、表面性状、幾何公差などなど色々と付与しないといけません。
特に大切なのは、「問題用紙に指示された寸法や表面性状を書くこと」です。
試験は「減点方式」で、問題用紙に指示された寸法などが解党に書かれていない場合は「大きな減点」となります。
逆に問題用紙に書かれていない寸法や表面性状の抜けは減点にはなるものの、上記と比べると減点度合いは小さいです。
なので、まずは図形を書き終わったら問題文を読み直して、「指示された寸法や幾何公差などを真っ先に入れること」が大切です。
そして、一番厄介なことを書きます。
それば「尺度」です。
基本は「1:1」であることが多いのですが、年によっては「2:1」や「1:2」の場合もあります。
これを間違えればその時点でアウトです。
難しい年はほぼ「1:1」以外の尺度の問題です。
概ね4年に1度は「1:1」以外の年になります。
この年に当たってしまったときは覚悟を決めましょう。
かと言って合格者が1人とかのものではない(どんなに合格率が低くても約4~5人に1人は受かる)ので、しっかり対策していれば合格は十分可能です。
勉強時間について
実務で設計技術者に携わっているかどうかで大きく異なります。
また従事期間によっても大きく違います。
概ね5年程度携わっていれば80時間もあれば実技は合格できると思います。
初めて実技の過去問題を解いたときは「9時間」もかかってしまいました。
また、抜けも多く、その状態で受験していれば明らかに不合格でしたね。
設計技術者と言えど、生半可な勉強時間ではまず合格できません。
しかし6~7回程度過去問を解けば4、5時間程度で溶けるようになります。
仕事終わりや毎週土日の数時間を勉強時間に当てて3ヶ月もすれば合格レベルに到達できます。
このことから、設計技術者は目安として「80時間」が学習時間と言えるでしょう。
長くても半年しっかり勉強すれば合格レベルに到達できます。
重要なのは「慣れること」です。
学科試験内容について
はっきり言って、実技に比べれば「超楽勝」です。
物理が大の苦手でセンター試験ですら過去問で30点程度という中学生レベルすら怪しい自分が言うのですから間違いありません。
その理由は「決まって過去問とほぼ同じ問題が出るから」です。
加えて「選択式」というのも大きいです。
記述式ならそうはいかないでしょうが、山勘でも合格できるのが学科試験です。
5年分の過去問を解けば「あ、この問題全く同じだ」という問題もあります。
しかも常識で考えて「これ以外ありえないだろう」という問題も出てきます。
物理で力の釣り合いの問題も出ますが、ほぼ2択に絞れるレベルです。
後はあてずっぽうでもいいレベルです。
満点を取る必要は当然ないので、本当に簡単です。
試験時間も1時間40分=100分ですが、20分経てば退場できます。
しかもほぼ7割以上の人がこの20分の時点で退場します。
それぐらい簡単な問題なのです。
なので、実技に9割の勉強時間を割いていいと言えます。
その気になれば試験前夜の一夜漬けでも構わないです。
まとめ
試験対策のサイトは数多くありますが、「人によってまちまち」です。
ただ、本当に物理が大の苦手で、なぜ設計技術者をやっているのかと言われる自分が断言します。
100時間みっちり勉強すれば合格できます。
難しい年に当たっても次の年は優しい問題になるので2年あれば合格はほぼ間違いなしです。
とにかく実技は手を動かして数をこなすこと、学科は後回しです。
実技にほぼ全力を注ぎこむことが大切です。