自分の住んでいる近くには松屋があります。
手軽に食べられて安いので最低でも週5(うち1日2回以上が3、4日)で行くほどの常連客(店員さんに完全に顔を覚えられています)です。
しかし、2024年4月2日より一部商品の大幅な値上げ(100円)を行ったことにより、超常連の自分でも「これはさすがにキツい…」と思い、行く回数を減らしました。
松屋は2010年中盤以降コンスタントに値上げをしている
2000年9月までは「400円」でしたが、2000年9月の価格改定で大幅な値下げをしました。
この改定で290円という安さになりました。
牛めし値上げの歴史
2004年10月では一気に100円の値上げに踏み切り、390円に。
2005年9月改定時で350円に値下げ。
2008年9月改定時で380円に値上げ。
2009年12月改定時で320円に値下げ。
2012年1月で最安値となる280円に値下げ。(この時の安さと手軽さは忘れられません)
2014年4月で290円に値上げ。
2018年4月に320円に値上げ。
2021年9月に380円に値上げ。
2023年3月に400円に値上げ。
2024年4月の価格改定時では据置き(400円のまま。店内飲食時に付くみそ汁も引き続き付属)
見ての通り、2012年1月価格改定時の280円が最安値で、以降はコンスタントに値上げしています。
特に去年に値上げ、今年も値上げと2年連続の値上げには驚く声も多いです。
今回2024年4月の値上げでは「100円」もアップ!
値上げの対象は全商品ではありませんが「9商品」が対象となりました。
全て100円ずつ値上げされています。
<松屋公式HP:2024年3月29日告知公開>
キムカル丼(並盛):590→690円
牛焼ビビン丼(並盛):590→690円
ネギ塩牛焼肉丼(並盛):590→690円
牛焼肉定食(プレーン):690→790円
牛焼肉定食(ダブル/プレーン):1090→1190円
カルビ焼肉定食(プレーン):730→830円
カルビ焼肉定食(ダブル/プレーン):1130→1230円
牛生姜焼定食:790→890円
牛生姜焼定食(ダブル):1190→1290円
※「プレーン」は小鉢(キムチやネギ、大根おろしなど)が別売りで100円です(小鉢の値段は据え置き)
定食の「ダブル」に至っては既に1000円を超えており、さらに100円の値上げになります。
この値段なら他の定食屋に行った方が安く食べられるレベルです。
値上げの要因は?
何と言っても「円安」の影響でしょう。
4月中旬には1ドル155円という空前の円安に見舞われています。
これでは輸入に頼る業界はかなりの費用が掛かります。
牛肉はアメリカ産であればその経費は莫大です(肉そのものだけでなく、空輸の運送費や人件費など)。
加えて、ここ最近は松屋は「セルフサービス方式」に切り替えています。
従来は券売機で買った食券をスタッフが席まで来て、食事を席まで持ってきてくれたのですが、全国で店舗改装が進んでおり、「食券方式+セルフサービス方式」(食券を持っていき食事を取る+食後は返却口に食器などを返還)になっています。
店舗内装も提供カウンターを作るために改装しており、券売機や食券モニターの入れ替えも同時にやっています。
この店舗改装かかる経費も莫大で、一気に一部商品の100円の値上げに踏み切ったと思われます。
牛めしはなぜお値段据え置き?
松屋公式が発表していますが、看板メニューの「牛めし」は売り上げ1位です。
つまり、最も売れている商品であるためこの値上げだけは踏み切れないわけです。
消費者は10円の値上げでも敏感です。
常連客のサラリーマンは手早く済ませるためにも、昼飯を牛めしにしている人は良く見かけます。
中には毎日食べている人もいることでしょう。
そんなメニューを値上げすれば客離れが深刻になります。
なので、看板メニューの牛めしはお値段据え置きにしたわけですね。
宣伝文句でも「牛めしはお値段そのまま。他店では別売りのみそ汁も無料で付いてきます」と謳っています。
今後の値上げはどうなる?
今回4月の価格改定では牛めしは対象外でしたが、おそらくこのまま物価高や円安が止まらないなら次回価格改定で牛めしも対象になると思われます。
おそらく20円の値上げ、つまり「420円」になると思われますね。
さすがに50円以上の値上げをすると深刻な客離れになることから、10円、20円の微小な値上げにとどめるはずです。
一方でカレーや定食、他の丼ものなどは容赦なく50円や100円の値上げに踏み切る可能性があります。
とはいえ、既に100円の値上げをした商品はすぐには更なる値上げにはしないでしょう。
今回の9商品以外、牛めし類を除く商品に対して50円程度の値上げをすると思われます。
売上への影響ですが、客数はやや減るのは間違いないはずです。
一方で価格上昇により、その客数減少分は補えると思っています。
ただし、次回で大幅な価格改定に踏み切るのであれば客数減少+売り上げ減少は免れないでしょう。
消費者は値上げに非常に敏感です。
嗜好品ならともかく、毎日食事を取るのが当たり前なので食品の値上げには非常に敏感です。
ここが松屋の試練でしょう。
いくら競合の吉野家やすき屋、なか卯などが揃って値上げでも、そもそも外食の数が減ってしまっては競合も何もありませんからね。