マッピングは平面図を作るだけなので、立体物を作るより簡単だと思われますが、そうとは限りません。
大きく複雑な立体物ならそうかもしれませんが、今回は圧倒的に平面図を作るほうが難しいです。
町の平面図を作るのが難しい理由
ではなぜ、平面図を作るのが難しいのかをいくつか理由を挙げます。
基準を主人公の身長として算出するため
モデリングをするにあたり、最も重要なのは「基準」です。
これはモデリングに限らず、加工作業をするときも手始めとなる場所(基準面)があるのと同じですね。
今回のポケモン3DCAD世界を作りにあたり、基準としたのは「主人公」です。
主人公の身長は小学校高学年(男子6年生)と判断し、およそ146cm~150cmとしました。
身長の単位はcmですが、モデリング上でcm単位で作ると巨大になりすぎるため、mm単位で作っています。
これはCADソフトの基準単位がmmだからです(一般図面も航空部品など例外を除けば部品寸法はmm単位で書くのが普通となっています)。
そして、この主人公の身長をもとに物体の高さや幅を決めています。
ゲーム内の様子を見て逐一「身長と肩幅から判断すればこの程度の大きさになるだろう」と1つ1つ判断しています。
ゲーム内の視点が斜めのため
別記事でも書いたことがありますが、ゲームは俯瞰視点、つまり斜め上から見るようになっています。
真っすぐだと先の様子が見えずプレイがしづらいですよね。
斜め上から見れば先の様子も把握しやすく、操作も快適になります。
しかし、モデリングに関してはこの「俯瞰視点」が曲者です。
斜め上から見るということは奥行が見た目と狂って正確ではないということです。
遠近法は皆さんご存じですよね。
美術で誰でも習う技法で、「近くのものは大きく、遠くのものは小さく」ということです。
ゲームでは固定視点ではなく、キャラクターを動かせるので、遠くに見えるものも近づけば大きさは把握できます。
しかし、斜め上から見ていることに変わりはありません。
具体的に例を挙げて説明しますと、正方形のタイルがあるとします。
真上から見れば当然正方形に見えますよね。
しかし、45度の斜めから見ればどう見えるでしょうか?
台形のように見えますよね?
手前が長く、奥が短く、奥行きも斜めとなっているために長さが分かりづらいです。
このように斜め上からの視点では距離感等を把握しづらいのです。
推定より間違った寸法でモデリングを進め続けると、小さな狂いが積み重なってどこかで大きな狂いとなってしまいます。
間違ったモデルで町の配置図を作ると全てが狂ってしまう場合も…
今回のニビシティは「町の道路であるタイル」を基準に作りました。
結果から言いますと、主人公の足のサイズを24mm程度として、1つ80mmのタイルとすることで今のところすべて上手くいっています。
しかし、身長などから考えて50mmや60mm、70mmなど色々計算をし直しました。
結果として、民家やポケモンセンター、ポケモンジムに狂いはありませんでしたが、大花壇については大幅な修正をすることになりました。
今回の大花壇はそこまで大掛かりなモデルではなかったので修正は大きな苦労がなく幸いでしたが、最悪の場合はポケモンセンターや民家などの修正もあった可能性があります。
そうなると、以前作ったトキワシティの町にも影響が出るので非常に恐ろしい事態になっていた可能性もあります。
もちろん、そうならないように主人公の身長から計算に計算を重ねて作っているので可能性は低いですが、0ではありません。
修正したニビシティの大花壇
花壇の大きさが1.5倍以上になりました。
土台から花壇まで大きな修正がありました。
難しくはなかったですが、手戻り修正ということで精神的には堪えましたね…
次の目標
引き続きニビシティのマッピングを続けていきます。
町中心部、ニビ科学博物館部、外周部と今までと違って分割して作っていく予定です。
町の規模が大きいので、小分けを最小限にしつつ効率的に作る目的でいます。