ゲームとCADで趣味全開!

ゲームの世界をCADで現実にする。3Dモデルを作るのが得意です。他にゲームとしてプリコネやディスガイアシリーズの攻略などを書いています。

システムソフト・アルファーが衰退したのはなぜか考察

システムソフト・アルファー」といえばKOTY三冠王(据置機、携帯機、R18版)の栄光(?)を手にしたことでクソゲー界隈では有名です。

 

しかし、そのシステムソフト・アルファーも元々は「天下統一シリーズ」で肩を並べるほど実績のあるメーカーでした。

しかし、2000年代後半に入ってからは徐々にその実績も霞むほど堕落していきました。

今回はその経緯について考察してみます。

こんな考察は誰得かもしれませんが、一応「極姫シリー」のファンであり、最近は以前ほどではありませんが「クソゲーハンター」の1人でもありますからね。

 

 

 

 

 

システムソフト・アルファーの歴史

元々の会社名は「システムソフト・アルファー」ではありません。

1999年に「アルファーショック」という名前で創業しました。

その2年後である2001年にゲーム関連事業の権利や開発スタッフが「システムソフト」に移管されました。

 

このシステムソフトはコーエー(現在のコーエーテクモゲームス)の看板作「信長の野望シリーズ」と比肩するほどの作品「天下統一シリーズ」をはじめ、「大戦略シリーズ」など「戦略シミュレーションゲーム」を展開していました。

 

しかし、2000年代中盤からか主力の天下統一シリーズの「天下統一Ⅱ」から「約9年」もの期間が空いてⅢが発売されました。

このⅢが駄作でかなりの不評を買いました。

続くⅣも不評、さらにまた6年という長期間が空いた後に発売されたⅤも不評と、完全に「信長の野望に比肩する作品」は見る影もなくなりました。

 

 

 

なぜ堕落してしまったのか

堕落してしまった要因はいくつか想像できます。

 

 

事業移管

まず、2001年の事業移管ですね。

つまりは会社の事業再編となり、元々のアルファーショックに見切りをつけて同業他社に人員が転職してしまったことでしょう。

有能な人材ほど、より強く魅力的な会社=コーエーに転職した人もいるはずです。

 

 

会社の規模に見合わないシリーズの展開

そしてシステムソフト・アルファーは決して人員が多くありません。

それなのに

・天下統一シリーズ

大戦略シリーズ

・太平洋の嵐シリーズ

戦極姫シリーズ

・萌え萌え2次大戦シリーズ

など「明らかに会社規模と不釣り合いな多種多様のシリーズ」を展開しています。

 

当然、完全内製ではなく大半は外注でしょうが、外注となるとマージンを取られ結構な予算が必要です。

そして会社の資産から考えるに多くの予算は出せないはずです。

予算を削る→低品質な出来になるは自明の理でしょう。

 

 

開発後の対応

開発は別会社でも、販売はシステムソフト・アルファーです。

出来具合の確認(動作チェックの責もあり。必要とあらばデバッグ作業も担う)も販売元の責任です。

しかし、そんな人員はいませんでした。

2010年代からずっと求人募集をしており、およそ30~36程度の人数で全てのシリーズを管轄していたのです。

当然ですが、1つ1つアフターサービスをできる余裕なんてありません。

そもそも開発できる人員が明らかに不足しています。

ゆえに、度重なる延期や低品質なものを販売してしまうのです。

 

 

以上のまとめ

まとめると

・人員規模に見合わないシリーズの展開

・有能な人材の流出(事業再編からの推測)

・低予算の開発によりデバッグすらまともにせずに発売でユーザー評価を落とす

となりますね。

 

 

 

KOTY三冠王という覇業を達成

そんな衰退の一途を辿っていたシステムソフト・アルファーが一躍有名になったのが2009年のクソゲー大賞です。

2009年に戦極姫」でKOTY据置機と携帯機部門で同時W受賞、次点では「戦国天下統一」も選ばれるという異常事態でした。

戦極姫(無印初代)のバグの酷さはリアルタイムで体験したので是非以下の記事を見てください。

 

utane-channel.hatenablog.com

 

 

戦国天下統一は2時間で投げたほどの酷さでした。

3500名を超える武将と言いながら、有名部将以外はモブキャラの色違いという有様、訳の分からないUI、ロードが多くテンポが悪い、バランスは滅茶苦茶(それ以前に東北から九州へ一気に攻められるなどエリア概念すらない状態)など何一ついいところがありませんでした。

 

utane-channel.hatenablog.com

 

再度、あまりにもひどい内容を書きますと

・無駄に多い勢力な上、思考フェイズが何度も挟まるため、ゲームのテンポが最悪

・移動の概念が破綻(東北勢力がいきなり九州に攻めてくるなど)

・仕官してきた直後に出奔(武将が1ターンすら待たずに出ていく)

・俸禄を最大まで上げても不満を言う貪欲すぎる家臣

・いきなり持てる兵数が急激に減る

・マップ情報を見るために一々隣の城を選択していく必要があるゲーム以前の問題

 

これらはごく一部の問題です。

あげたらきりがないほどに不親切、不具合の塊があります。

1時間でも耐えてプレイできたなら大したものですよ。

自分はゲーム開始10分で限界を迎えて、その日のうちに売りに行きましたが

伊達にワゴンセールで1コインで大量に投げ売りされていませんね。

 

 

 

それから7年後の2015年、シリーズが出るたびに改善され、3・4・5では概ね高評価を得られた戦極姫がKOTYエロゲー版で大賞を取りました。

ここに、据置機、携帯機、R18版の輝かしくも褒められない「三冠王」が達成されたわけです。

今後この記録に並ぶものは絶対にないでしょう。

間違いなく断言できます。

フリュー三銃士とかなどとは比べ物になりません。

 

クソゲーに選ばれた理由は以下をご覧ください。

 

utane-channel.hatenablog.com

 

 

 

システムソフト・アルファーのその後

2020年1月1日をもって、事業は全て「日本一ソフトウェア」に事業譲渡されました。

ディスガイアシリーズや魔女と百騎兵などなどで有名なあの会社です。

同時に名前も「システムソフト・ベータ」と名前を変えました。

 

その後はコンピューターゲーム事業から事実上の撤退(事業譲渡後は一切ゲームを販売していないため)です。

 

つまり、2020年1月1日をもって、既存のゲームの販売とアフターサービスのみを残し(システムソフト・ベータの公式サイトや、ネットショップなどで引き続き販売)、ゲーム事業に幕を閉じました。

 

事業を再開するかは親元である日本一ソフトウェア次第ですが、こう4年も音沙汰がない状態ではほぼ間違いなく再開する見込みはないでしょう。

 

一時は戦国ゲームで双璧を成したゲームメーカーが進歩を止めたためか凋落の一途を辿り、皮肉にもクソゲーメーカとして有名になり、最後には身売りした会社は、事実上終焉を迎えることになりました。